2016年10月12日水曜日

赤い果実はどうなった?


8月3日のブログにて、オタネニンジンの赤い果実をご覧いただきました。
その後どうなったでしょうか?


オタネニンジンの果実には通常2つの種子が入っています。
種子は硬い殻に覆われています。
採取した種子を割ってみると、植物体の元となる胚が未熟です。

そのため、「芽切り」と呼ばれる処理を行って、胚の成熟を促します。
胚の成熟によって、種子内部の膨圧が高まり殻が割れるとされており、この割れた状態を芽切りの完了とみなします。


さっそく処理中の種子を取り出してみてみましょう。



10粒ずつ4つのグループに分けましたが、違いはわかりますか?
そう、大きさが違いますね。

処理によって大きさが変化したのではなく、処理前に4つの重さの範囲で分けたものです。
種子の重さは、個体間で異なっているだけではなく、個体内でも重さに違いがみられるようです。
それにしても同じ植物なのに違いが大きいですね。

種子の重さが大きければ(小さければ)、芽切りや発芽は早まるでしょうか?
発芽した個体はより大きくなるでしょうか?
重い種子はどのくらいの割合であるのでしょうか?
重い種子をより多く採取するにはどうしたらよいでしょうか?

興味が尽きません。



さて、芽切りの状態ですが・・・
ぐふっ、まだあまり進んでいないようです涙

気を取り直して芽切りの進行をたどっていきましょう!
芽切りの様子がわかりやすいように、種子を横方向から見ていきます。



こちらはまだ芽切りがほとんど進んでいない種子です。
上の方にある穴は珠孔(受精時に花粉管が通った穴)の跡で、その下には殻が合わさって癒合したような溝があります。



むむっ、種子が膨らんで今にも弾けて割れそうです。
心なしか溝の幅も広がっているような・・・



わかるでしょうか?珠孔の上の部分から割れ始めています。
溝の部分から割れると思いきや、珠孔の上から割れるようです。
胚は珠孔の奥の方にありますから、やはり胚の成熟によって膨圧が高まることによって、珠孔の上の部分から割れたのでしょうか?



溝の部分まで割れて、いわゆる芽切りが完了しました。

しかし、これで本当に芽切りは完了したのでしょうか?
胚はどのくらいの大きさなのでしょうか(大きければ成熟したことになるのでしょうか)?
胚が成熟していたとして、すぐに発芽させることはできるのでしょうか?
胚がどのくらいの大きさになると(あるいはそれ以外の要因で)殻が割れるのでしょうか?
どのような条件で胚の成熟は進行するのでしょうか?

やはり興味は尽きません。



最近、暗く狭い閉じられた空間で、もがき苦しむ夢をよく見ます笑

抑圧されているのでしょうか?
言い出せないことを心に秘めているのでしょうか?
新しい自分に生まれ変わりたいのでしょうか?笑

いいえ、そのどれでもありません。
芽切りを心待ちにしているのです。


安眠のためにも、早くこ~い!芽切り~~!!


(新藤 聡)



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