2016年10月17日月曜日

薬用植物の栽培で地方再生(?)

最近よく目にするフレーズですが・・・。果たして現実は・・・・・

先週は、講義の合間に山形、福島、新潟、栃木へ出かけてきました。


ある地域ではすでに高齢者ばかりで働き手がいない集落。住民の6割以上が高齢者の町。半径数キロに子供がいない地域。家の周囲に家庭菜園的な畑や水田があるだけで、農業がすでに成り立っていない地域も数多くありました。さらに数少ない農作物が、野生動物の被害によって壊滅的であったり・・・。その一方で、その近くの野山には薬用植物が豊富に自生していても、その薬草を採る人がいなかったり・・・。

このような現状で、「薬用植物の栽培で地方再生!」を掲げても、これを実現させるためには、相当に高いハードルがあるように思います。実現性は非常に厳しいものですね。補助金があるうちは継続したとしても・・・。
 
では、どうしたら良いのか? その植物をきちんと生産すれば、生活が成り立つ仕組み(商品作り)が必要ですね。薬用植物の生産で、果たして夫婦と子供2人の標準的な家族が生活して行くことができるのでしょうか? 今のところは新規就農があるわけでもなく、かなり難しいですが・・・。

ではさらに、その地域に適した品目の選定、生産性や機能性成分の高い系統や品種の確立、効率的な生産技術の確立、薬用植物としての加工技術、品質と安全性の保障と裏付け、技術の普及とその継承、安定的な販路の確保、コスト管理などの多くの問題を一つずつクリアすることが必要です。それと最後は何といっても人! 意欲・熱意のある人でなければ何を始めても物事は進みません。

そのような環境・体制を作り、品目ごとに地道にコツコツと実績を積み上げて行くしかありませんね。とはいっても、地方にはまだまだ未利用の健康源、元気の源がたくさん眠っています。まずは、その地域の人たちが、その資源の有用性をきちんと理解して下さることが大切ですね。



   (渡辺 均)

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