2016年10月10日月曜日

花壇に動きを!

102日に東京都葛飾区で今年度2回目の花壇管理Step Up講座を担当してきました。葛飾区内で実際に花壇活動を行っている方々が対象です。講義と実際の花壇管理の実地の両方を学ぶ講座です。

前回の第1回目は、521日に行ない、秋冬花壇から春夏花壇へ改植しました。

最近の花壇苗の品種改良の方向として、二極化が進んでいるように思います。一つは、とにかく旺盛に生育して花を咲かせ続けるタイプ。メンテナンスの手間がかからず、大面積を広くカバーし、修景用としても利用可能です。

ペチュニア‘さくらさくら’、‘桃色吐息’、‘おゆきちゃん’
3色ミックス植栽例(2016年樽プランター)
旺盛に枝を伸ばし、次々と花を咲かせます。


もう一つが、草姿はコンパクトでそれほど大きくならないのに、花は次々と咲かせるタイプ。このタイプは、コンテナや寄せ植えにも使えます。花壇に植えてもそれほど大きくならないので、花壇のメンテナンスがとても楽になります。

松原園芸さんのロベリア品種
鉢植えにするとあまり伸びず、夏越しもして休まず花を咲かせています。



どちらを選ぶかは用途に合わせて選択すれば良いのですが、花壇に植栽する素材として、グランドカバーとして横方向に伸びるだけではなく、縦方向に伸びるタイプの植物をもっと使っても良いのではないでしょうか。ということで・・・

521日に植栽した花壇。まだ、平面的で立体感はまったくありませんが・・・

数ヶ月後には・・・

中心はカンナ‘ファシオン’ カラーリーフのカンナです。

花壇の縁にさくらさくらシリーズを植えていましたが、台風の影響で枝が傷んでしまったため切り戻され、花壇としてのバランスは悪くなってしまいましたが、中心のカンナが何と言っても存在感を示していますね。まるで、買ったときはミニウサギだったのに、しばらくしたら巨大ウサギに成長したような・・・

縦方向に伸びる植物は、風などによる倒伏にも気を付けなければなりませんが、住民参加型の花壇でしたら、目が行き届き、何と言っても日々生長・開花するその過程を楽しむことができます。

よく見かける花壇の多くは、生長する余地を残さないくらいに植栽間隔を詰めて植え付け、メンテナンスのことを考えてコンパクトな植物ばかりを植え込んでいるような気がします。季節の流れとともに植物の動きが見える花壇がもっと増えても良いのではないでしょうか。


  (渡辺 均)

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