2020年9月28日月曜日

いつもと違った交配

これまで、後代を残すためや新品種を作るためにいろいろな植物の交配を行なってきましたが、今回交配する植物はいつもと調子が違います。そもそも花の咲いている高さが違います。 

 

 上の画像のように、2mの脚立のさらに上に花があります。その植物はキクイモです。キクイモは露地栽培の場合には、大きくなれば草丈が3m以上にもなりますので、私の身長では花まで手が届きません。そのため、鉢植えにして温室内でコンパクトに仕立てて栽培すると、今度は光が不足するため、細い枝ばかり伸びて花を着けないことが多く、一方で地植えでは茎だけどんどん伸びて花をまったく着けない系統があったりと、確実にすべての系統に花を着けることは簡単そうでけっこう難しい植物です。

 

そこで、今回は直径が45㎝の鉢を使ってハウス脇の露地で管理し、強い光を当てながら根の伸長を制限させつつ株の栄養状態は十分な状況をつくり、花を着けにくい系統にも花を咲かせ、系統間で種子を採ろうという作戦です。

 

その結果が下の画像です。鉢植えなのに地植えと変わらないくらい大きく生長しましたが、すべての系統の茎の先端に花を着けました。作戦成功!

 

先週から花が咲き始めました。交配するためには、2mの脚立を作業棟から持ち出し、キクイモの脇に立てて登ってみるといつもと景色が違います。ジャックと豆の木の気分? 露地圃場に並べられたパンジーのポット苗が小さく見えます。

 

キクイモの花は、ハウスの肩にある換気窓よりさらに上で咲き、その高さはおよそ3m50㎝! 当然ですが、これほどの草丈の鉢植えは、少しの風でも倒れてしまいますので、草丈が1m50㎝を超えた時点で、地面に支柱を打ち付けて株を固定させてあります。

交配は脚立を花の近くに移動させ、登ったり降りたりととても大変です。羽があったらどんなに楽か。それ以上にとても危険です。脚立から落ちて骨折?ということにもなりかねませんので、次回からは、長い棒を使って茎を折らないように丁寧に折り曲げ、「地上」で交配することにします。

 

 

(渡辺 均)

 

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