こんにちは、学部3年の水谷です。
最近はすっかり涼しくなり、秋の気配を感じられるようになってきましたね。
今回は私の実験植物についてのお話です。
ミゾカクシ(Lobelia
chinensis)は東アジア全域に広がる水田雑草です。
ミゾカクシが含まれるHypsela節のほとんどはオーストラリア、ニュージーランドなどの南半球に自生する種です。しかし、ミゾカクシは南半球には分布せず、北半球である東アジア広範囲に分布を広げました。
Lobelia chinensis
赤道付近を除いて南半球と北半球の同緯度付近に隔離分布する現象は‘反熱帯分布’(Antitropical distribution)と呼ばれています。この現象は、渡り鳥や風によって種子が赤道をまたいで運ばれ、同緯度付近の適した気候で分布を広げたことにより起こると考えられています。
例えば、コケタンポポ属のいくつかの近縁系統は日本とオセアニア地域のみ自生し、反熱帯分布する植物として知られています。
ミゾカクシは赤道付近の熱帯地域にも分布しているため、反熱帯分布とは言えないかもしれませんが、近縁種とは異なる地域に分布域を拡大した方式は非常に興味深いです。
ミゾカクシが含まれるHypsela節のいくつかの種は、‘プラティア’の名前で園芸種として日本に流通しています。今回は、その一つであるLobelia angulataを入手しました。
Lobelia angulataはニュージーランド原産の植物ですが、遺伝的な距離はミゾカクシと近いとされています。花の形態もそっくりです。
ミゾカクシ(Lobelia
chinsnsis)の花
プラティア(Lobelia angulata)の花
先日、日本のミゾカクシと交配してみました。こちらは交配二週間後の様子ですが、少し子房が膨らんでいるように見えます。
果たして種子はつくのでしょうか。楽しみです。
(学部3年:水谷)
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