こちらは約40品種のトルコギキョウでチップバーンの発生に関する研究を行っている苗テラスです。ごらんの通り、ずいぶんと大きくなりました。
が、しかし、ほとんどチップバーンが出ていない・・・
生産現場では喜ばしいことですが、チップバーンの出やすさを検討する研究では、致命的な失敗です。
この原因はおそらく、培養液の窒素濃度と推察されます。前回までの実験では、園試処方1/4単位の培養液を使用していましたが、今回は品種数も多いことから、苗テラスで慣行的に使用している培養液を使用しました。この培養液の窒素濃度が低く、成育が緩慢となり、じっくりと育ったことで、チップバーンが発生しなかったと推察されます。
このことは、ある種、非常に興味深い現象です。まずは、今回使用した培養液の成分を分析し、チップバーンの発生しない(しにくい)培養液組成として、記録に残しておきたいと思います。そして、この結果を上手く活用しながら、チップバーンと窒素や成長速度の関係性を丁寧に実証していくことが出来れば、さらにチップバーンの発生原因を掘り下げることが可能かも知れません。(ちなみに、今回の失敗実験でも、2品種はチップバーンの発生が確認されています)
そして、当初予定していた実験に、リトライするため、早速種子の撒き直しを行いました。今度は以前から使用していた培養液を使用し、実験を行う予定です。
一方温室では、一輪仕立ての花が開花し始めました。花形態のデータに関しては今回の実験分で、しっかりと入手出来そうです。
失敗を次にいかせるよう、頑張り時ですね。
黒沼
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