2017年11月8日水曜日

ロシア・ウスリースク訪問 その4


 晴れた日でも、風の強さで気温としては同じ程度でも、体感温度がだいぶ違いますね。
 自転車やバイクに乗って通勤・通学されている方は、風の予報にもお気をつけください。



 のんびりペースで更新中のロシア紀行ですが、今回は訪問のイベントとしていた農業アカデミー本校への訪問と、千葉大学の紹介発表についてのお話です。

 午前中、学生寮を出て市街地を車に揺られること数十分、農業アカデミー本校へとたどり着きました。



 首脳会議でも開かれそうな大きな会議室へと案内されると、学長をはじめ、副学長、各学部長と、そうそうたるメンバーから手厚くお出迎えいただきました。

 国立沿岸地方農業アカデミーでは名前の通り、沿岸地方における野菜や花の生産の発展に力を注いでいますが、これまでの土地のリソースに頼った農業ではなく、施設を利用した栽培技術の発展を目指して、今後施設園芸を推進していくことを考えているようです。
 そのための第一歩として、日本から小規模な閉鎖型の植物工場を導入し、研究を行っていく計画を立てられていました。



 学長挨拶に続けて農業アカデミーの紹介スライドの発表後、アカデミー本校内を歩き学内歴史ミュージアムや動物標本室などを見学させていただきました。

 これらの部屋を見て感じたのは、ロシアでは学問研究について各々の内容だけでなく、現代の技術がどのように起こり、そして発展してきたのかを、それに関わる人物と照らし合わせながら展示し、学ばせようという意思でした。
 そのような脈々と受け継がれてきた技術の先に、我々が続いているという自意識やモチベーションを持たせる上では、この研究の歴史から詳しく教えるというのは、非常に有効な手法であるように感じました。


 その後、学生寮のあるキャンパスへと場所を移動して、いよいよ千葉大学の紹介発表をおこないました。
 発表は大講堂ではなく普通の講義室にて行いましたが、立ち見が出るほど満員の学生たちが聞きに来てくれました。



 私の発表では、千葉大学の大きな括りから、園芸学研究科、環境健康フィールド科学センター、そして苗生産施設と花卉園芸学研究グループまで、順を追って説明。



 また、続いて新藤特任研究員から、オタネニンジンの研究に関して発表があり、取り巻く問題の提議から、研究成果に至るまでを説明しました。

 発表は英語で……はなく、日本語で話したところをロシア語に訳していただきつつ、身振り手振りを交えての発表です。
 発表の合間、学生たちを観察してみると、スライドに記した英単語を検索しながら熱心に聴講する学生もみられ、関心の高さが伺えました。



 発表後に記念写真をパシャリ。




 発表を終えて昼食を食べ一段落した後に、ロシアの薬草について講義していただきました。




 机上に置かれた植物は身近に植わっていた薬用植物とのことで、実際に幼いころ祖父母から処方を受けたことがあるほど、民間薬としてごく一般的に利用されているようです。
 オケラやリンドウなど、日本でも見られる植物も多々あります。

 特に薬屋の少ない、あるいは高くて買うことができない地方で発展していった背景があり、山に自生する植物を採集するだけでなく、株ごと持ち帰って庭に植え直して利用することも。
 とても身近な文化として定着していることが伺えますね。


 大変興味深い講義の後は、薬局や市場の見学に向かいましたが、それはまた次回に。



安藤匡哉


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