この賞は、American Society for Horticultural Science(アメリカの園芸学会)が発行する3ジャーナル(Jornal of the American Society for Horticultural Science, HortScience, HortTechnology)の、花卉・緑化に関わる論文の中から、年間1報に与えられる賞であり、大変名誉なことです。
このような賞を頂けたのも、ご支援下さいました共同カイテック(株)様、ご指導くださいました教職員の皆様方、先輩、後輩などなど、、、多くの皆様方のお力添えがあってのことです。この場を借りて、心より御礼申し上げます。
さて、本論文の内容についてですが、この論文では、主要な屋上緑化植栽植物であるセダム、シバ、ジャノヒゲについて、その生理・形態的特徴と炭素固定能の関係性を解析しています。
特に、セダムは、緑化現場ではCAM植物と認識されていますが、植物生理学の分野では誘導型CAM植物(通常はC3もしくはC4型の光合成を示すが、乾燥などのストレスに応答しCAM型の光合成に切り替わる植物)であることが、以前より知られていました。そこで、異なる灌水環境下でセダムを生育させ、その乾燥への応答を調査するとともに、他の緑化植物と炭素固定能を比較しました。
その結果、閉鎖型システム内という限られた環境下ではあるものの、十分な水と肥料がある環境では、セダム(メキシコマンネングサ・キリンソウ)の炭素固定能は、C4植物であるコウライシバと同程度であることが明らかになりました。こうした研究成果は、従来までの緑化手法を、より効果的なものにするための基礎的知見として、業界ならびに社会に貢献するものと考えています。
今後とも、業界や社会に少しでも貢献できるよう、慢心することなく、地に足をつけ、研究活動に精進してまいります。今後とも皆様方のご支援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
黒沼
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