連日の雨模様に加え、先週末の豪雨と、日本の夏とは思えないような天気が続きます。
なぜか気温は相変わらず高いですが…。
そんな天気の中でも、夏を感じさせてくれる花が咲いています。
ツリガネニンジンAdenophora triphylla var. japonica
ひょろひょろと頼りない茎に多くの花をつけるため、支柱などで支えないと自身の重さや風で倒れてしまうことも。
小さい苗の頃は、茎の見えない根出葉を株元に密集させていますが、いざ花芽が伸び始めると、今までの葉が枯れ落ち、細長い葉が立ち上がる茎に輪生します。
苗の段階では何の植物なのか分かりづらいですね。
山野草として、高山のハイキング中に見るときには、もう少し後の9月から10月のシーズンに咲いていることが多いかもしれませんね。
かつて植物同好会に所属していた頃、長野県の霧ヶ峰に植物保護指導員(今は名前が変わったのでしょうか?)として活動中に、よく咲いているのを見かけました。
こちらで栽培したものに比べ、だいぶ草丈が低いような覚えがありますが、土壌環境の違いなどが影響しているのでしょうか。
薬草園に植えられているように、秋に花が終わり地上部が枯れた頃に、根を掘り上げて乾燥したものを沙参(しゃじん)と呼び、咳止めや去痰効果などを有しています。
名前のニンジンは、この根がオタネニンジンに似ることに由来するようですね。
その他にも、「山でうまいのはオケラにトトキ、嫁にやるのもおしござる」という歌がある通り、オケラとともに「トトキ」という名前で、全国的に春先の山菜として愛されています。
見るもよし、食べるもよし、身体によしと、なかなか有望なスペックを持ち合わせていますが、種内の変異が非常に大きいということで、それぞれの目的に合った系統があるかもしれませんね。
最終的には、全方向に有能なスーパーツリガネニンジンが育種される日が来るかも?と期待しながら、夏に涼しさを感じさせてくれる青い鐘を眺めています。
安藤匡哉
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