2017年8月23日水曜日

青い鐘


 連日の雨模様に加え、先週末の豪雨と、日本の夏とは思えないような天気が続きます。
 なぜか気温は相変わらず高いですが…。


 そんな天気の中でも、夏を感じさせてくれる花が咲いています。


ツリガネニンジンAdenophora triphylla var. japonica


 ツリガネニンジンは、キキョウ科の多年生草本で、夏に細長く伸びた茎の先に、茎を囲むように輪生したいくつかの小さな鐘形の淡紫色の花を咲かせます。


 ょろひょろと頼りない茎に多くの花をつけるため、支柱などで支えないと自身の重さや風で倒れてしまうことも。




 小さい苗の頃は、茎の見えない根出葉を株元に密集させていますが、いざ花芽が伸び始めると、今までの葉が枯れ落ち、細長い葉が立ち上がる茎に輪生します。
 苗の段階では何の植物なのか分かりづらいですね。

 山野草として、高山のハイキング中に見るときには、もう少し後の9月から10月のシーズンに咲いていることが多いかもしれませんね。

 かつて植物同好会に所属していた頃、長野県の霧ヶ峰に植物保護指導員(今は名前が変わったのでしょうか?)として活動中に、よく咲いているのを見かけました。
 こちらで栽培したものに比べ、だいぶ草丈が低いような覚えがありますが、土壌環境の違いなどが影響しているのでしょうか。


 薬草園に植えられているように、秋に花が終わり地上部が枯れた頃に、根を掘り上げて乾燥したものを沙参(しゃじん)と呼び、咳止めや去痰効果などを有しています。
 名前のニンジンは、この根がオタネニンジンに似ることに由来するようですね。


 その他にも、「山でうまいのはオケラにトトキ、嫁にやるのもおしござる」という歌がある通り、オケラとともに「トトキ」という名前で、全国的に春先の山菜として愛されています。


 見るもよし、食べるもよし、身体によしと、なかなか有望なスペックを持ち合わせていますが、種内の変異が非常に大きいということで、それぞれの目的に合った系統があるかもしれませんね。
 最終的には、全方向に有能なスーパーツリガネニンジンが育種される日が来るかも?と期待しながら、夏に涼しさを感じさせてくれる青い鐘を眺めています。


安藤匡哉

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