早いもので明日から12月ですね。
花卉・苗生産部では、来年の苗生産に向けて、今年採種された薬用作物の発芽試験を行なっています。トウキの種子選別については、10月のブログでご紹介しましたが、その種子を播いて発芽状況を確認するのが発芽試験の目的です。
トウキの種子選別に関するブログは下記をご参照下さい。
http://naeseisan2.blogspot.com/2020/10/blog-post_16.html
トウキの種子の選別は、扇風機の風によって飛ばされた距離で5つに選り分けられました。その分けられたそれぞれの種子をその日のうちにセルトレイに播種し、灌水後、ラップに包んで2週間低温処理を行ないました。その後、発芽室へ移動させ、発芽してきたのが下の画像です。画像の一番左が最も重い種子から発芽した苗、右に行くほど軽い種子ということになります。
今年採種されたトウキの発芽試験
違いが分かりましたか?
一般に播いた種子がどれだけ発芽したかを知るためには、発芽率が重要とされていますが、私たちは、トウキの一年栽培法として、セルトレイに播種していますので、苗の揃いもとても重要になります。 播種したら一斉に発芽してくれないと、苗の生育がバラバラになってしまい、その後の生育もバラバラになってしまいます。そのため、発芽室に移動させて、7日目でどれくらい発芽したのか?発芽勢(はつがぜい)といいますが、この確認もとても重要です。
トウキの場合、大きく重い種子では種皮が厚くなり、発芽が遅くなる傾向がありますので、最も大きな種子を着ける一次花序は開花後に切り取ってしまっています。二次花序の種子の中でもやはり大小があり、重い種子は展開する子葉や本葉は大きくなり、大きな苗が得られます。一方で、小さく軽い種子を播種すると発芽は早くなりますが、重い種子に比べて苗は小型になります。
このようなことを毎年きちんと確認しながら、来年の春に播く種子の大きさを決め、注文数に対しての播種量や育苗期間を決定しています。
(渡辺 均)
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