2020年11月23日月曜日

秋の学外研修

毎年恒例の行事ですが、先週は研究室でトキタ種苗大利根農場のオープンデーに参加してきました。また、少し足を伸ばして群馬県明和町でシクラメンとエラチオールベゴニアを生産している野本さん(誠養園)を訪問しました。新型コロナウイルスの影響で、研究室としては今年度初めての学外研修となりました。

 

百聞は一見に如かずと言いますが、講義で聴いた野菜や花の育種理論や栽培品目を現場で説明して頂きながら、実物を見せて頂く機会はそう多くはありません。その説明の担当者や生産者が園芸学部の卒業生であれば、なおさら学生さんにとっても、ご自分の卒業後の仕事のイメージが見えやすくなるのではないかと思っています。

 

蔬菜研究室の卒業生からトマトの説明を受ける(トキタ種苗)

 

花にこだわらず、野菜の育種や栽培技術から学ぶ部分も多いように感じています。また、ケールやルッコラを植栽に使ったりと、植物素材としての垣根は花や野菜では以前に比べて低くなっているように感じます。

 

ケールやルッコラを植栽した花壇

 

誠養園の野本さんも卒業生です。ほぼ、毎年この時期に訪問していますが、年々、生産しているシクラメンの品質が向上しています。群馬県明和町は、館林市の隣ですので、夏は日本でも有数の猛暑になるところです。シクラメンは暑さを嫌う植物ですが、そこで祖父の代からシクラメンの栽培を行なっている生産者です。

 

誠養園社長・野本さん(左端)の説明を受ける

 

野本さんの栽培されているシクラメンの品質が向上した理由としては、自家採種を続けた結果、暑さに耐える系統が得られたこと。夏越しが上手くできるようになったことにより、廃棄する鉢が大幅に減ったことで歩留まりが向上し、さらに株のボリュームがアップしたこと。開花調整ができるようになったことで、早めの出荷が可能になったこと。12月の出荷までに花数やボリュームが少なくて出荷ができない鉢が減ったことなどが挙げられます。また、小まめに栄養診断を行なうことで、適切な施肥管理ができていることも品質向上の要因のようです。ハウス内はすぐにでも出荷できるシクラメンで溢れています。忙しい中、案内して下さいました。


シクラメンの栽培風景(誠養園)

 

生産者として就農し、長年の工夫と努力の積み重ねによって、より良い鉢花が栽培されているのを目にするのは嬉しいですね。

 

仕事として植物と真剣に向き合う姿勢は、学生さんの卒論研究でも同じです。花の仕事の一端を学ぶことで、学生さんにとっても良い刺激になったのではないでしょうか。

 

(渡辺 均)

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