先週末は柏の葉にも雪が降り、薄くではありますが、一面の銀世界になりました。
その後の快晴によってほとんどの雪は溶けてきましたが、一部残った可愛らしい遊び心が、キャンパスの入口にて出迎えてくれました。
今週はまだ寒さが続く予報ですが、来週から昼間は10℃を超えるような暖かな陽気の日が増えてきそうです。
それに伴い、風に運ばれる花粉の量もまた…。
自身も大学に来てから花粉症が出始め、処方された飲み薬と目薬で何とかしのいでいますが、鼻づまりからくるぼーっとした熱を伴うような頭重感は、中々改善されませんね。
そんな辛い花粉症に効果のある生薬が「辛夷(シンイ)」です。
辛夷はモクレン属Magnoliaのコブシやタムシバなど数種のまだ芽吹いていない花蕾を採取し、乾燥させたものです。
この季節、キャンパスの薬草園のコブシにも、春を待つ柔らかい毛で覆われた冬芽がいくらか見られましたが、こちらを少々頂戴して乾燥加工しました。
乾燥前の花蕾。
乾燥後の花蕾。
見た目上、そこまで大きく変わったところはありませんが、乾燥後は指で潰せば粉々に潰せる程度には乾燥しています。
辛夷は特有の香りがあり、コクラウリンなどのアルカロイド類を含み、鎮静、鎮痛剤として、鼻炎、蓄膿症、頭痛等に対しての効果が報告されています。
葛根湯に辛夷と川芎(せんきゅう)を配合した「葛根湯加川芎辛夷」は花粉症をはじめとする鼻づまりを抑え、「辛夷清肺湯」は炎症による熱感を伴う慢性的な鼻炎や蓄膿症に用いられます。
以前に名前の由来にもなっているコブシの果実についてブログで紹介しましたが、こちらの実は薬用や食用には用いられません、残念。
鼻水、鼻詰まりの症状に対する効能なので、花粉自体への効能ではないですが、花のつぼみが花粉症に効果あり、というのはなんだか不思議な感覚ですね。
(安藤匡哉)
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