2018年2月20日火曜日

異なるCa濃度下におけるトルコギキョウのチップバーンの発生

 先週の水~金に、院生・別科生・学部生の卒業発表会が終了し、やっと通常業務に入ることが出来ました。その清々しさからか、幾分か春めいて来たように感じます。

 若手研究者にとっては、学生さんの指導や教育よりも、自身で実験し、研究成果を出すことが「大学」からは求められています。泣
 そこで、本日は、現在実験中のトルコギキョウのチップバーンの発生について、少しばかりご紹介します。トルコギキョウのチップバーンは、Caの欠乏によって発生すると考えられており、学部4年の渡邉さんの実験で、14品種の品種間差が明らかになりました。そうしたバックデータを利用しながら、自身の研究では、Ca濃度が異なる培養液で栽培し、数種のトルコギキョウのCa吸収・分配とチップバーンの発生の変化について、実験を進めています。

 ある品種では、Ca濃度を増加させると、チップバーンの被害率が減少傾向にあります。
 低Ca濃度下におけるチップバーン発生の様子

高Ca濃度下では、チップバーンの発生は確認されません。


一方で、他の品種では...

 低Ca濃度下におけるチップバーン発生の様子

ム、ム、ム!高Ca濃度下でも、チップバーン発生が確認!

 このように、チップバーンはCa欠乏症だから、Caを多く施与すれば、解決できる!というわけではなさそうです。これらの品種が、どのようにCaを吸収し、分配しているのか?そしてそれらを律速している生理的要因は何か?が明らかになれば、トルコギキョウのチップバーン抑制に有効な手段を検討することが可能です。
 生理障害の研究は、障害発生の前後で分析する必要があったり、可能な限り、生理障害の発生に関与するファクターを除外したりと、非常に気配りが必要な研究分野です。しかし、実際の生産現場へのフィードバックが可能であったり、他の植物への知見や研究手法の応用が可能であったりと、非常にやりがいのある研究だと感じています。よりより研究のために、まだまだ勉強が足りません。
 

黒沼



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