千葉県柏市はカブの生産量が日本一です。通勤途中に気になって、いつも近所の畑を観察しています。柏市のカブは東京から近いこともあり、漬物の需要から産地が形成されたそうです。同じ畑で年3回収穫されています。
柏市内のカブ畑
この圃場のカブですが、日中の作業を見ることはありませんが、種子を播くとほぼいつも100 % 発芽しているように見えます。相当の腕前の生産者なのか・・・?
家庭菜園でのカブやダイコン、ニンジンなどは、発芽後に間引きを推奨していますが、営利生産の場合は機械で1粒ずつ正確に等間隔に播種し、間引きは行なっていません。やっていたら労力的にとても大変ですね。
種苗会社の開発の方がおっしゃるには、100 % 近く発芽する品種でなければ、生産者は種子を買ってくれないそうです。100 % 出なければいけない!
味は良くても発芽率が低ければ、なかなか種子は売れないそうです。作業効率を考えればそのような種子が求められて当然かも知れません。また、種子が発芽しなければ、当然その分の収量は減ってしまいますので・・・。
良いことずくめのように思いますが、発芽率が高くなったことから、生産者が間引きをしなくなったため、間引きをしていた時ほど種子が売れなくなってしまったそうです。
花卉・苗生産部でも挿し芽で増殖を行なっているペチュニアのさくらさくらシリーズなどのセル成型苗は、100 % 保証の苗として出荷されています。1枚のセルトレイに200本の苗があれば、200本すべて定植可能な品質の苗であるということです。
セル成型苗の場合は、出荷本数よりやや多めに挿し芽を行ない、発根しない挿し穂があった場合には差し替えを行ないます。差し替えの手間を考えれば、挿したものが100 % 発根し、同じ生長と品質であることが理想です。そのため、採穂の基準や挿し芽の手順などは厳密に決められています。
生育の揃った花卉・苗生産部のペチュニアのセル成型苗(挿し芽)
このように農・園芸分野でも生産性の向上や効率化のために‘完璧’が求められています。一方で、野菜であれば栄養価の減少、花であれば矮化剤の効き過ぎたポット苗など、必ずしも消費者のメリットになっているとは思えないモノが出回っているのも現実です。
誰のため? 何のためのモノづくりなのか? せっかく苗は‘完璧’なのだから、出口までも考慮した‘完璧’さが作り手側に必要ではないでしょうか。
(渡辺 均)
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