2016年7月6日水曜日

観葉植物の取り木


帰宅時間を見計らったかのような夕立で濡れ鼠をならないようにお気をつけください。
もう少し時間をずらしておけば…後の祭りですね。

今回の実習では、観葉植物の取り木をおこないました。


取り木とは、主に木本植物を対象とした栄養繁殖法の一種で、外皮を切り取った幹の途中から根を出させて、その部分で切り取ることで新しい株を得る方法です。

生長によって購入した時と比べて姿形が悪くなってしまった株などを、もう一度草丈の低いうちから楽しみたい…でも挿し木だとスタートに時間がかかるし、枯らしてしまうかも…といった場合に候補に挙がる方法ですね。


この方法はなかなか難易度が高いように見えて、挿し木などと違って植物体が繋がったまま行うために、失敗のリスクが低いという利点があります。
一方で、ある程度まとまった部分で切り取るために、株を大量に増やすことには向きません。

そのような特性から、貴重な植物の更新などに適していると考えられます。


まずは、幹(茎)の皮を剥がすために使用するナイフのお手入れから。
切れ味の悪い刃を押し当てて組織を潰してしまっては上手く発根してくれません。
刺身包丁でも似たような話を聞いたような?


渡辺親方先生の技が光ります。


あまり力を入れず、水で濡らした砥石の上を滑らすように動かしていきます。

砥ぎ終わったら、外皮を剥がす部分の上下に刃を入れていきます。


中から白っぽい樹液が出てきました。


皮とは異なる瑞々しい色をしていますね。


周りをすべて切り取ったら、水ゴケで周囲を巻いて湿度を保ちます。

この状態を維持することで、切り取った部分の上側の形成層から発根が始まります。


ビニールで水ゴケを巻いて、麻紐で固定すれば完成です。
植物園などでもたまに見かける光景ですね。


改めて植物の不思議な性質と、それを上手く利用した技術であることを感じます。

(安藤 匡哉)



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