園芸シーズン到来と同時にホームセンターの植物売り場やガーデンセンターが賑わっています。残念ながらその賑わいは花売り場よりも野菜苗売り場だったりして・・・。それと同時に、培養土などの栽培用土の売り場面積も増設されていますね。花の土、野菜の土、何とかの土etc.
この用土の種類の多さも、園芸初心者を悩ませているようです。どんな土を購入したら良いのか?値段も品質もまちまちですからね。
私が市民向けの園芸講座でお話をする際、買ってはいけない袋詰めの培養土として挙げているのは・・・、
「何が袋の中に入っているのかわからない土」
食品には法律で原材料の明記が義務付けられていますが、培養土にはありません。でも、良心的なメーカーの培養土にはきちんと配合されている土の種類や肥料などが明記されています。
花ならまだしも、そのような土で栽培してできた野菜を食べるのは勇気が要ります。そんな培養土に限って、「安心・安全」などと書かれています。園芸商品だからといって袋の表に書かれている文字だけ読んではいけません。袋の裏側までしっかり読んで中身のはっきりした商品を選んで欲しいものです。
下の画像は市販の培養土でいっせいに植え付けたパンジーの生育の様子です。一番左が花卉・苗生産部の用土で栽培したものです。その他の培養土の商品名は明かしませんが、いろいろな肥料や土壌資材が入っている用土が良く生育しているわけではありません。かえって生育を抑えているような用土も見られます。値段と生育にもまったく関係はありません。ちなみに、花卉・苗生産部の土は、ピートモス、赤玉土、植物由来の堆肥、パーライトに用土1リットル当たり緩効性の基肥が3g配合されたものを使用しています。
いくら市販の培養土に基肥がたくさん入っていたとしても、毎日の灌水と雨で遅くても2~3ヶ月で鉢やプランターのほとんどの肥料成分は抜け出してしまいます。基本的な用土が配合されているのがわかれば、あとは灌水や追肥などの日常管理を行っていれば植物は生育してくれます。
園芸植物に関する詳しい商品説明や情報は伝えず、園芸用土は難しく、分かりにくく、複雑にして商品単価を上げるような方向ってどうなんでしょう? それでも植物が大好きで、日々園芸を楽しんで下さっている方々には本当に頭が下がります。
(渡辺 均)
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