7月18日~19日に花葉会主催の花葉サマーセミナーが開催されました。初日は例年どおりの形式での講演会と討論会。2日目は初めての試みとして、産地見学会を行ないました。昨年のサマーセミナーで御登壇頂いた群馬県邑楽(おうら)郡の3名の若手シクラメン生産者の圃場を見学させて頂きました。群馬県邑楽郡は猛暑で有名な館林市の隣です。その日の最高気温は、37.8℃とその猛暑も体感することができました。汗だくになりました。
昨年のセミナーについては下記をご参照下さい。
http://www.yamashita-yoko.com/topic_new/img/2014kayokai_seminar.pdf
なぜこの猛暑の中で、市場や消費者に高い評価を受ける高品質なシクラメンが作られているのか? その現場を視察してきました。
1軒目は(有)峯崎園芸の峯崎宏之さん。栄養診断に基づいたデータ取りによる綿密な施肥管理、やや明るいハウス内での細霧冷房、底面灌水によって、市場の品評会で峯崎さんのシクラメンは毎年受賞されています。
2軒目は誠養園の野本寿久さん。花葉会の幹事でもあります。6割を自家採種の系統で栽培し、暑さに強い系統を選抜し、栄養診断はもちろんですが、手灌水と底面灌水を組み合わせて生産しています。夏まではやや小ぶりな株に作り込み、涼しくなる秋以降に急激にボリュームを持たせるような作り方をしています。
3軒目は、石川花園の石川栄司さん。水持ちの良い、やや腐植土の多い重い土を使って、すべて手灌水で約17,000鉢を出荷しています。矮化剤を使用して草型をコントロールしています。
また、他の生産者よりもハウスの軒が高く、風通しが良く、寒冷紗の遮光率も高いものが使用されていました。
それぞれの生産者で栽培方法が異なる中でも緻密なデータ取りとお互いに情報をオープンにして、気軽に相談できる関係作りもその品質を高めてきた要因かもしれません。猛暑にも負けない高品質で丈夫なシクラメン生産の現場を理解することができました。
(渡辺均)
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