2015年6月2日火曜日

播くタネをつくる

 最近では野菜や花でもF1品種化が進み、野生種や固定種以外は開花した株から種子を採っても親株と同じような性質の個体を得ることができなくなってきました。また、園芸業界も分業化が進み、生産者も自ら種子を播くことが少なくなり、専門の業者から苗を購入することが多くなってきました。タネ播きができなくても、しなくても農業ができる時代になりました。
そんな時代だからこそ、自分で交配し、採種、育苗できる知識や技術があればもっと面白いことができそうですね。交配して種子を得ることは、商品開発の一手段でもありますので・・・。

そこで、園芸学科3年生の栽培・育種学専門実習花卉コースの実習で、ペチュニアを材料にして交配を行ないました。

育種目標は、さくらさくらシリーズに色幅をもたせること・・・。這性の‘さくらさくら’、‘おゆきちゃん’、‘桃色吐息’を母親にして、花卉・苗生産部で維持管理しているペチュニアの系統を花粉親にして交配を行ないました。道具は、ピンセット、ホチキス、ライターとタグです。

まず、咲いている花をすべて取り除きます。


次に、ウイルスの感染や他の花粉の混入を防ぐため、ピンセットの先をライターで軽く炙ります。続いて蕾の花筒(かとう)部分に切り込みを入れ、蕾を2つに割き、5つある葯(やく)を取り除きます。これは、自家受粉を防ぐためです。


柱頭に花粉を着けたら蕾の中に再度雌蕊を押し込んで、ホチキスで蕾を閉じます。


最後に何を交配したかわかるように交配した日付と交配組み合わせをタグに記入して花柄(かへい)に着けたら交配完了です。


季節や組み合わせによって多少異なりますが、結実していればこの時期ですと20日~25日で採種可能になります。1週間後には早くも膨らんだ緑色の蒴果が・・・。


今後の実習で採種 播種 育苗 選抜 を行なっていきます。学生自身が考えた交配組み合わせで、どんな花が咲くか、予想通りの草型と花色が咲くか楽しみですね。


   (渡辺均)

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