2019年12月30日月曜日

日本の品種はすごい うまい植物をめぐる物語 

 早いもので、2019年もあと2日。私が担当する今年最後のブログになりました。
さて、今回は表題にあるように1冊の本をご紹介します。

日本の品種はすごい
  うまい植物をめぐる物語  竹下大学著 中公新書 
   うまさには理由がある。育種家たちの飽くなき挑戦



長くキリンビールで花の育種をされていらっしゃいました当研究室の先輩でもある竹下大学さんが執筆された本です。世界で最初にオールアメリカンセレクションのブリ―ダーズカップを受賞された世界が認めた育種家です。
ブリーダー、すなわち育種家であった竹下さんの積年の想いとして、広く品種や育種について関心を皆さんにもって頂きたいというお考えから、日本人が長い年月をかけて創り出してきた私たちに身近な作物の育種の歴史をまとめられた本です。これまで、園芸植物のふるさと(自生地)に関する本や、その品種の育成過程に関する本はありましたが、作物ごとに日本人の育種家が何を考えて品種を作り出してきたのかに焦点を当てた初めての本ではないかと思います。

私たちが日常的に見かける野菜ひとつにしても、その品種が生まれるまでには育種家がおり、その育成の過程には長い歴史があります。また時代とともにその品種の栄枯盛衰の物語が隠されています。それぞれの時代の中で、私たちに身近な作物は、理想の品種を創るために携わってこられた育種家の想い(執念?)が詰まっているとも言えます。

竹下さんも書かれておりましたが、先人たちがどのような想いでこれらの作物の育種を進めてきたのかをじっくりと考える良い機会になる本ではないかと思います。また、この本を読んで育種の面白さに目覚め、ブリーダーを目指す子供たちや若者が現れることを私も期待します。多くの方に読んで頂きたい1冊です。

本年も当ブログをご愛読下さいまして有難うございました。



(渡辺 均)
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