2019年10月8日火曜日

屋上緑化芝地の大気浄化能

 今回は、先月、九州産業大学で行われた日本緑化工学会において、当研究グループが発表してきました「屋上緑化芝地における大気浄化に関わる元素量の経年変化」(日本緑化工学会誌, 45(1), P33-38.)の内容を簡単にご紹介します。

発表ポスターの様子 

九州産業大学の様子

 屋上緑化は環境に良い!という話は、皆さんも聞いたことがあると思います。しかしながら、実際に環境改善効果を定量化した事例はほとんどみられません。屋上緑化の大気浄化能に関する研究についても、海外の研究グループが気象学的な推定方法によって、屋上緑化の大気浄化能を数値化した事例はありますが、実測的な知見は得られていません。
 そこで、本研究では、大気汚染防止法で指定されている元素の中から、14元素について、施工後経過年数の異なる屋上緑化芝地から、シバと土壌を採取し、元素量を調査することで、屋上緑化芝地の大気浄化能の評価を行いました。
 本研究は、農研機構東北農業センターの久保先生、信濃先生のご協力のもと、元素分析を行い、共同カイテック(株)の皆様に、調査地のご提供を頂きました。
 その結果、Cdなどの6元素については、施工後経過年数の増加に従い、屋上緑化芝地の元素量も増加していることが明らかになりました。また、それ以外のほとんどの元素については、経年的な傾向は確認されなかったことから、屋上緑化は大気浄化能を有するということが証明されました。
詳細は、日本緑化工学会誌, 45(1), P33-38.をご確認頂ければ幸いです。

 緑化に限らず、園芸の世界でも、経験的に、なんとなく、おそらく○○であろう!ということは少なくありません。その経験則を、実証することも科学の役割です。また、実証したことによって、学ぶことも少なくありません。
日進月歩、一歩ずつ、丁寧な仕事を心がけていきたいですね。




(黒沼)


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