2016年12月19日月曜日

ペチュニアの挿し芽 ~園芸学科2年生実習~

先週は、講義や実習の無い日に三重、静岡に行ってきました。野菜や健康機能性植物など、新たな植物ビジネスが動いています。「人と植物のかかわり」は切って切れない関係ですが、作り手側がどのような健康源として植物を消費者に提案するかによって、旧来の農業なのか、新しいかたちの農業ビジネスとして提案・展開されるのか、その方向性がまったく違ってしまいます。何をどのように消費者にお届けするのか? ですね。

一方で、学生の多くは営利生産的な農業体験は無く、植物に触れてきた経験のある学生もごくわずかです。そういう意味では、これまで消費者的視点でしか農業を見て来なかった学生さんがほとんどです。その中で学生生活の短い期間で、いかに園芸植物やその生産技術に目を向け、消費者的立場からプロデュースする側の立場に転換することができるかが、重要と感じています。

学部(園芸学科2年生)の実習は、1年間を通して花卉、蔬菜、果樹の実習をほぼ週替わりで行ないます。花の実習では、シクラメン、パンジー・ビオラとペチュニアを実習品目としています。シクラメンでしたら、鉢増しや葉分け、葉組み、花寄せなど、その品目で必ず行わなければならない実践的な作業項目を実習に組み込んでいます。

先週の実習では、ペチュニア‘さくらさくら’の挿し芽を行ないました。栄養繁殖のペチュニアを例に、培養苗の維持管理からセル苗や鉢花まで生産される流れについて、生産の概略を説明しました。作業手順、用具、穂の大きさなどすべて細かく決められた中で、いかに素早く、丁寧に均質な苗生産を行なうのかが重要です。ただ、穂を取って挿しても均質なセル成型苗はできません。

採穂の様子


漠然と植物を見ていては、花芽の有無や穂の太さなどを見落としてしまいます。将来業界人になるためには、植物との距離をもっと詰め、細部まで観察し、良いものを作るためにはどうしなければならないかを考えながら作業を進められることが重要ですね。

ひとつひとつ経験を積み重ね、植物のプロとして園芸業界で活躍できる確かな目とスキルを持った人になって欲しいと思いながら実習を行っています。

(渡辺 均)



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