近年の農業は分業化が進み、生産者自らが種子を播くことが少なくなり、苗を購入することが多くなりました。特に若い生産者は、セル成型苗を購入することが当たり前のような風潮になってきました。分業化が進んだのは、品質の高いセル成型苗を購入することで、育苗にかかる手間やコストを削減し、生産効率を高め、品質の高いポット苗や鉢花生産に労力を集中させるためです。これは、もっともな考え方かと思います。しかし、一方で生産者が種子を播かなくなってしまった結果、失ってしまうものも・・・。
①自家採種種子を使わなくなったため、生産者の栽培環境に適した品種・系統を失うことになる。
②交配や系統選抜で新しい品種や系統を作出することができない。
③播種した苗の中から、変異株を見つけ出す機会を失う。
④販売種子の在庫状況やセル成型苗生産者の事情により、必要量の苗を確保することができない場合が発生する。
⑤販売種子以外の苗を得ることができない。
上記のように、種子を播かないことで商品開発の機会を逸してしまい、他の生産者との商品の差別化も難しくなってしまうこともあります。
花卉・苗生産部ではいろいろな品目で種子からの苗生産を行なっていますが、その中でも高い頻度で突然変異株を見ることができます。
ヒマラヤユキノシタ
シオデ
オケラ
ソヨゴ(左:茎や葉柄が緑色)
これらの突然変異株がすぐに商品になるかは、また別の問題ですが・・・。
自分で播種する生産者が少なくなっただけに、すぐに自分で種子を播かなくても、商品開発を行なうことができる技術を保持しておくためには、播種の基本的な知識や技術を最低限身に付けておいた方が良いのではないかと思います。
このような内容の記事が本日(3月7日)付けの日本農業新聞に掲載されているそうです。機会がありましたらお読み下さい。
(渡辺均)
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