2020年4月27日月曜日

ヨモギを殖やす

先週の学生の栗田さんのブログにも紹介されていましたが、当研究グループでは、ヨモギも研究材料としています。

ヨモギは、食材(草餅や草団子など)として利用されるだけではなく、お灸に使うモグサの原料や生薬(艾葉・がいよう)にも利用されています。また、入浴剤としてお風呂に入れると体がとても温まります。その他に虫よけに利用されたりと、古くから私たちの生活と関わりの深い植物といえます。

お灸に向くヨモギはどんな特徴があるの? ヨモギの野生種(植物側)から研究された例はほとんどありませんでした。また、栄養価の高いヨモギは? 実際に調べてみると鉄分やカリウム、カルシウム含量、抗酸化活性の高い系統があることがわかりました。そこで、今度はその選抜された系統を大量に増殖し、さらにその成分含量を調査することになりました。

栄養繁殖でヨモギを大量に殖やす方法? ヨモギは、吸枝(きゅうし)で殖えますが、それでも親株を鉢植えにしていると1株でもせいぜい50本ほどしか採れません。そこで、親株と吸枝をつないでいる地下茎を繁殖に利用することにしました。

ヨモギの地下茎を良く観察すると、12㎝の間隔で節(せつ)があることがわかります。地中にあっても根ではなく、茎ですから。

その節を含むように確認しながら1~1.5㎝の長さにハサミで切り分けて挿せば、その節から新しい芽が伸長してきます。


 上の画像は、288穴のセルトレイに挿したところです。各セル中央に地下茎が挿されています。一週間もすると出芽が始まり、さらに2週間もすると・・・。



さらに一週間でほぼ定植可能な苗が完成しました。挿してから1カ月ほどです。



道端のヨモギを良く観察すると、葉の大きさの違いだけではなく、葉の切れ込みが大きいものやほとんど切れ込みが無い株があったり、茎の色が緑色や赤紫色だったり、茎に白い毛が密生している株やまったく毛がない株があったりと様々です。また、草餅に加工しても、使うヨモギによって、香りや味に微妙な違いがあります。

ヨモギの新芽が採れるこの時期は、草餅(草団子)が一番美味しい季節ですね。

ご自分で好みのヨモギを選んで殖やし、用途に合わせて使い分けても楽しいですね。でも、お庭や畑に植えるとどんどん広がり、いくら抜いても地下茎が残ってしまいます。植える場所や管理には十分お気を付け下さい。


(渡辺 均)
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