2020年3月16日月曜日

キハダの種子精製


 「毎日笑顔で元気に!」がモットーの花卉・苗生産部。 運搬車(ライガー)に乗って満面の笑みで技術職員の新澤さんが行なっている作業は・・・。



一転、真剣な面持ちで運搬車を運転しています。タマネギ袋に入れられたキハダの果実を運搬車で踏み潰しているところです。以前は、長靴で踏み潰しましたが、キハダ果実の独特の粘りと油分、さらに強い臭いがなかなか取れないため、今回は運搬車のタイヤを使って潰すことを考えついたようです。毎日履く長靴がベタベタで臭くなってしまいますからね~。

果実の量が少なければ、手作業でふるいを使って果肉を潰すこともできますが、今回、届いたキハダの果実は何と約8kg! こういう時こそ、スピード感と効率化を考える柔軟な発想とチャレンジが必要になってきます。 とは言っても、果実は潰れても種子を潰してはいけませんからね。

運搬車を何往復もさせて潰し終えたら、水洗して果肉と種子を選り分けます。パートさんと半日かけて約8㎏の果実から集めた種子はなんとおよそ18万粒!

これだけの量の種子をすべて播き終えましたが、苗はいったい何本できるのでしょうね・・・? 今後、まったく発芽してこないのも心配ですが、これがすべて発芽してきたことを考えると、この量はもっと心配になります。来年春に一年生の苗木として出荷を予定していますが・・・。

このキハダは、薬木として植栽されることになっていますが、花卉・苗生産部では、緑化用樹木の播種や野生種に近い草花類・薬草類の種子蒔きを依頼されることもあり、種子の精製方法の検討はもちろん、種子内での胚の発達や休眠性、発芽条件などについても事前に調べ、温度処理(高温・低温)や播種方法について検討しています。播種してから2年後に発芽する植物もあり、そう考えると人為的に改良を加えられた園芸作物、特に野菜の苗生産はとても簡単に思えます。




(渡辺 均)


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