2020年1月3日金曜日

花の香りに酔い痴れて 最終回 カリブラコア ピグメア

 明けましておめでとうございます、学部4年の下重(しもじゅう)です。

 大晦日には冷たい風が吹き荒れていましたが、皆様、体調はいかがでしょうか。
 私は、昨年のクリスマスイブにインフルエンザに罹患してしまい、大晦日も元旦も、休日返上で実験を行っているところです。
 皆様も、手洗いうがいは忘れずに、体調管理をしっかり行いましょう。


 さて、「花の香りに酔い痴れて」シリーズ、最終回の今回は、私の卒業研究の実験供試植物であるカリブラコア ピグメアをご紹介致します。

 千葉大学環境健康フィールド科学センター 高度化セル成型苗生産利用システム内の閉鎖型苗生産システム(通称 苗テラス)にて、カリブラコア ピグメアを栽培しています。



 カリブラコア ピグメアCalibrachoa pygmaeaは、ナス科カリブラコア属に分類される、一年生草本植物であり、南米(ウルグアイ、アルゼンチン、ブラジル)の湿地に自生しています。

 カリブラコア ピグメアには、「花色の変化」と「芳香の拡散」という2つの大きな特徴があります。
 「花色の変化」について、昼は黄色く、夜は白く、可逆的に変化します。
 「芳香の拡散」について、昼は芳香の発散量が少ないのですが、夜は多くなります。
 この2つの特徴により、スズメガと呼ばれる蛾を誘引しており、スズメガに「受粉」をしてもらうことで、自生地で子孫を残しています。

(昼の花)


(夜の花)


 私は、カリブラコア ピグメアの「花色の変化」と「芳香の拡散」という2つの特徴が、「受粉」の有無でどのように変化するのかについて興味を持ち、実験を日々行っています。

 肝心の香りはというと、ハーブ類に似た、刺激的で鼻へ抜けるような強い香りがします(私個人の感想です)
 1花でも十分香りを感じることができるのですが、苗テラス内に咲いた沢山の花からは、一段と強烈な香りが感じられ、その強い生命力に感動させられます。


(苗テラスに咲くカリブラコア ピグメア)

 現在は、可愛らしいカリブラコアの園芸品種も多く作出されていますが、カリブラコア ピグメアのような原種にも、沢山の魅力があり、非常に育て甲斐があります。
 卒論研究のために、約1年間、植物と向き合いながら生活することで、植物だけでなく、自分自身も少し成長できたような気がします。

 私の「花の香りに酔い痴れて」シリーズの更新は、今回で終了となります。
 今まで、本シリーズを読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
 今後、皆様に「芳香性を持つ植物」の魅力をお伝えできなくなるのは、非常に残念です。
 しかし、卒業・就職後も、多くの方々に植物の魅力を伝える努力をし続けたいと思います。

 本年も、そしてこれからも、千葉大学環境健康フィールド科学センター 花卉・苗生産部、そして、花卉園芸学研究グループを、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


(学部4年:下重)



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