2020年1月22日水曜日

「良い」の定義 そのいち


 2019年も終わり、2020年が始まりましたが、2019年度の諸々の成果報告が迫ってきました。
 現在、薬用機能性植物の試験栽培も収穫を終え、得られたサンプルについて比較や分析をおこなっています。

 複数の場所で同じ品目を栽培していただいていますが、作る土地や人の手によって、出来上がったものには幅があります。

 国内生産においては、やはり品質を高めた栽培品が望ましいですが、では品質が「良い」ものとはどういったものでしょうか。
 思いつくのは色や香り、含まれる成分の量などなど。


 ということで、今回は色を指標とした場合の比較を行いました。




 根物だとあまり違いはみられないため、地上部を刈り取ったサンプルの色味をチェック。

 分光測色計という分析機器を使って、目で見える色を数値化していきます。



 機器が測る部分に偏りが出ないように、葉のままではなく、粉末状に加工した際のサンプルを比較します。

 実際に測定した数値を比較すると、色の明るさを示す明度と、色の鮮やかさを示す彩度に関連性がみられ、明るいほど鮮やかであることが示唆されました。

 さらに追加の実験で、光合成に関与する葉緑素のクロロフィルの含量を比較すると、見た目の緑味が強く、明度と彩度の数値が大きいサンプルにおいて含まれる量が多かったことから、これらの指標を用いることで、サンプルの色味を数値化して比較することができるかもしれません。


 一方で、この品目とは別の植物では、見た目の色味と計測した数値が一致しなかったり、クロロフィルの含量とも相関がみられなかったりと、指標としては信頼性に欠ける品目もあるようです。

 様々な薬用機能性植物において、一律で比較できる指標があれば便利ですが、なかなかそういうわけにはいかないようですね。

 次回は含まれる成分の比較からお話ししてみたいと思います。

(安藤匡哉)

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