新学期の講義や実習が始まって1週間が経ちましたが、まだまだ教員側も新しい時間割には慣れません。
さて、下のセル成型苗の画像を御覧下さい。これは、オケラ(生薬名:白朮)のセル成型苗です。同じ系統の種子を今春に播いたのですが、左側のセル苗の方が大きくなっていますね。ちなみに、右側のセルの方が数日早く播いています。
この違いは何かといいますと採種方法の違いによるものです。種子を採る株を選び、その株のどの位置に着いた花から種子を採るかによって、種子の大きさ、発芽率が大きく違ってしまいます。そのため、苗の品質もこのような差が出来てしまいます。
大きく生長したセル成型苗
(選抜した株から採種し発芽させた苗)
発芽も悪く生育が揃っていないセル成型苗
無選別に採種し発芽させた苗)
生育の揃った苗を生産するためには、遺伝的に均一な優れた系統を選抜してその株から採種することはもちろんですが、それに加えて採種技術がとても重要になってきます。
おもな採種技術として、採種母株の肥培管理(株の栄養状態を良好に維持すること)、株あたりの採種量の制限、開花させる花数の制限、開花部位の制限、受粉様式の理解、交配方法の検討、花粉親の選抜、採種のタイミング、種子の選別、採種後の種子管理・保存など・・・・・。種採りひとつで考えること、やるべきことはたくさんあります。
花や野菜などの園芸植物生産では当たり前の技術であっても、これまでの薬草栽培ではこのような考え方はほとんど取り入れられて来ませんでした。これからもしばらくは難しいでしょう。
良い苗を短期間に効率的に生産すれば、それだけ生産者にとっては生産性や収益性が高くなるはずなのですが、何でやらないのでしょうね~。
(渡辺均)
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