全国各地から集めたヨモギなどの健康機能性植物を栽培していると、どこでも見られるようなヨモギでさえ地域性が現れます。これまでの研究から、葉の形状などの見た目の違いだけではなく、植物体内の鉄、マグネシウム、カルシウムなどの保持能力にも違いが現れ、葉内のアミノ酸の構成比が異なっていたりとさまざまです。
同様に耐寒性や休眠の深さにも違いが現れます。0℃で加温するハウス内で栽培すると、北や標高の高い場所に自生しているヨモギほど早く休眠し、南に自生しているヨモギほど休眠しない傾向にあります。
地上部を枯らし始めた秋田県自生のヨモギ
まだまだ緑色が残る鹿児島県自生のヨモギ
同じようなことは、薬用植物であるカラスビシャク(生薬名:
半夏)でも。下の画像の手前2鉢は沖縄県自生のカラスビシャク。それ以外の鉢は、九州以北に自生しているもので、奥の鉢はすべて地上部が枯れてしまっていますね。
冬でも枯れない沖縄県自生のカラスビシャク
株の生死ではなく、地上部の枯死だけを考えると、南に自生する株ほど耐寒性があるとも言えそうです。
また、ヨモギでもカラスビシャクでも春の芽出しは、南に自生する株ほど早く、北に自生する株ほど遅い傾向があります。つまり、南に自生する株ほど休眠が浅く、北に行くほど休眠が深いと言えます。自生環境に合わせた生存戦略を行なっているようです。
自生している健康機能性植物を農作物として考えようとすると、生育期間が長い系統ほど収量が多くなり、栽培に有利になると考えられます。もちろん機能性成分などは考慮する必要はありますが・・・。それでは、北の系統と南の系統を交配すると、その耐寒性や休眠性はどうなるのでしょう?
興味は尽きません。
(渡辺 均)
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