2021年8月31日火曜日

有名な屋上緑化を・・・

 先日、国内の某施設から、屋上緑化の土壌と芝をサンプリングしてきました。現在は、下の写真のように乾燥させています。


 この施設は、日本の屋上緑化の中では、非常に有名な施設です。屋上緑化を施工から20年程度が経過していますが、残念ながら、一部のエリアを撤去してしまうそうです。それに伴い、どのように土壌が変化したのか?の調査依頼が入った訳です。

 下の写真は、もともと施工時に用いた軽量土壌の層の土です。軽くパラパラとした印象があります。
 

 一方こちらは、その上層。芝のルートマットが形成されている部分です。粘土質でサッチ層とよばれるものです。

 興味深いことはいくつかありますが、まずサッチ層が増えているのがわかるでしょうか?通常の切り芝は2,3cm程度ですが、上の写真では10cm程度もあります。この部分が20年かけて、有機物(炭素)がたまった部分と言えます。
 また、この土壌では、軽量土壌層の方に、根がほとんど張っていませんでした。根張りは土壌の種類や灌水方法に大きく依存しますが、ルートマットが形成されているエリアで基本的には物質(肥料)循環が出来ていたことが予想されます。

 最近は、SDGsやカーボンニュートラルなどの環境意識が、より一層強く普及してきていることに加え、緑化ではグリーンインフラという言葉も重要なキーワードの一つとなりました。
 話は少しそれますが、環境マネジメントシステムという環境経営の考え方に、PDCA(Plan計画、Do実行、Check評価、Act改善)サイクルが使われています。環境という観点から捉えた場合、緑化ビジネスが、PDの連続にならないようにするためには、誰かがCAに関するデータをきちんと出す必要があります。
 CA(評価・改善)というと、なんだか偉そうですが、ビジネス自体の持続可能性のためにも、謙虚にCAを行っていくことが、大学の一つの役割と考えています。上述した実験結果も、最終的にはビジネスの「肥やし」になることを願って。


黒沼


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