2020年12月15日火曜日

オタネニンジンの苗生産

 今日ご紹介するのはニンジンの苗生産です。当研究室では、オタネニンジンの早期発芽技術(採種当年の出葉)と短縮栽培技術(閉鎖型環境を利用した1年で2年分の生産技術)を有しています。
 今年は、これらの技術を統合して、8月に採種した種子を再来年の春に、2年生苗(2年分の成育が終了した苗)として、出荷する生産計画をとることになりました。

 下の写真は川砂で層積処理を行った種子です。芽切りが終了していることが確認出来ます。この状態は物理的休眠が打破されている状況であり、第一段階突破です。この種子に植物ホルモンを添加することにより、強制的に生理的休眠を打破します(第二段階突破)。すると、すぐに発芽・出葉してきます。これが早期発芽技術です。

駄温鉢から出されたニンジン種子

種皮が割れています。これが「芽切り」という状況です。

 これらの種子は野菜用プランターに播種され、発芽後、苗テラス(閉鎖型環境制御システム)に移動します。閉鎖型環境下で、1度目の成育が終了(地上部が枯れる)したら、再度、植物ホルモンを添加し、強制的に2サイクル目の成育を開始させ、1年間で2サイクル分(2年分)の成育を行うということです。これが短縮栽培技術です。今回播種したプランターは発芽適温下で管理後、苗テラスへと移動します。

播種の様子

発芽適温下で管理

 来年の3月にも、短縮栽培技術のみで生産した2年生苗が出荷される予定です。苗質や製品化率を向上させながら、まずは効率的で良い苗作りを目指しています。




黒沼





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