2015年3月9日月曜日

精油の抽出

先日、ある植物(バジルの仲間)の精油(エッセンシャルオイル)の抽出を試みました。精油は植物種や栽培条件、生育ステージによっても含まれている量や成分が異なります。そのため、まずその植物の大まかな精油の収量を調べるため、水蒸気蒸留法で抽出を試みました。
蒸留方法には、水蒸気蒸留の他にも有機溶媒などを使用する溶媒抽出法や圧搾法などがありますが、今回は装置さえあれば比較的簡単に抽出できる水蒸気蒸留法を試みました。
蒸留装置

装置の原理は簡単です。中仕切りのあるガラス容器に水と植物を入れ、下から加熱して蒸していきます。じきに植物が蒸され、その成分を含む蒸気が発生してきます。その蒸気が水を流して外側から冷却した管内を通ることによって、蒸気が冷却されガラス管内に精油成分を含む水滴がつき、それを回収すると芳香蒸留水(ハーバルウォーター)と精油が得られます。

蒸されることによって、葉がすぐに変色してきます。

回収された芳香蒸留水の水面上に油膜(精油)が僅かに見られます。

芳香蒸留水はコックを開いてビーカーへ受け流し、表層に残った精油をキャピラリーで吸い取り回収します。下層の透明な部分が芳香蒸留水、黄色の部分が精油です。

今回は約500gの生葉から、約500mlの芳香蒸留水と約1mlの精油を抽出することができました。

ということは・・・? 精油を1リットル抽出して得るためには、○キログラムの生葉が必要で、1アール当たり△キログラムの生葉が収穫できるので、□アールの畑が必要になる。それに対する種子の量が○○グラム必要で、発芽率が△△%なので、苗の数は予備を含めて□□本必要になり、その生産にかかるコストは××円。精油の生産原価は▽円。穴埋め問題が解決しました。さて、この結果から春から精油の大量抽出に向けて、圃場生産を開始するのかは、成分確認試験、精油の市価や市場性等を考慮して今後決められていきます。

  (渡辺均)


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