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3回目となりました今回は、「種子などから切り芝をつくる際の温室効果ガス収支は?」をご紹介します。
芝地を造成する際に良く用いられているのが、下のような切り芝(ロール芝、ソッド)です。これらの切り芝を丁寧に敷き詰め、根付くまで灌水を行うことで、芝地が出来上がります。
では、この切り芝は、どのように生産されているのでしょうか?今回は、切り芝の生産者さんにヒアリングを行い、種子や種シバ(栄養繁殖)が出荷適期を迎えるまでに固定するCO2量と、化成肥料や農機具の使用、芝刈り残渣(刈り芝)の廃棄時に発生する温室効果ガスをそれぞれ定量し、切り芝生産時の温室効果ガス収支を算出致しました。
その結果、切り芝の生産圃場は、約-20 t-CO2e/ha/yearの温室効果ガスの削減に貢献していることが明らかとなりました。さらにこの値は、単純比較は出来ませんが、森林や都市林等で報告されているCO2固定効果よりも高いか同程度でした。
前回もご紹介しましたが、刈り芝の廃棄などの負の側面(環境負荷の発生)を考慮しても、なお温室効果ガスの削減に貢献することが証明されただけでなく、森林と同程度の値を示したいう点が、草本性緑化植物の生産が有する温室効果ガス削減のポテンシャルを示しています。これまで、林業を除く農業は、N2Oをはじめとする温室効果ガスの発生源として、認知されてきていました。しかし、切り芝のように、出荷後20~30年は維持管理される植物においては、むしろ温室効果ガスの吸収源として、評価できることが、本研究で実証されました。
次回は、芝の利用時(ゴルフ場や都市公園など)の温室効果ガス収支と、生産から廃棄までの全工程で、芝地は温室効果ガスの吸収源になり得るのか?をご紹介します。次回が最終回になる予定です。
涼しくなりましたが、そろそろやっておかないといけないのが、サフランの球根を並べる作業です。日本独自の栽培方法のようですが、育苗箱に球根を並べ、室内の温度変化の少ない日陰の涼しい場所に置くと、11月中旬頃に開花してきます。その雌ずい(めしべ)を摘んで乾燥させたものが、サフランライスやパエリアなどの料理の風味付け、色付けなどに使われる「サフラン」です。食材だけではなく、冷え症や血色不良などに用いられる生薬原料として、また健康食品としても利用されています。最近では、認知機能の改善にも効果があるとかで注目を集めています。
一昨年は、その球根を並べることをすっかり忘れてしまいました。箱の中で芽が動き出してから並べてしまったため、花が曲がって咲いてしまいました。また、サフランは開花期が2週間ほどと非常に短いため、作業が集中してしまいます。特に土日の花摘みは、今年も私一人・・・・・?
以前、花卉・苗生産部の技術職員の研究テーマとして、サフランの周年開花を目指した研究を行ないました。その結果、自然開花より1ヶ月早めたり、1ヶ月遅らせたりすることに成功しましたが、それより長く開花調節を行なうと、開花数が減ってしまったり、まったく咲かなくなったりと、年間を通しての作業の平準化は難しいようです。
球根生産は、JFPPA(日本薬用機能性植物推進機構)会員で、千葉県大網白里市内で水稲やタマネギを生産している方にお願いしています。今年も8月に納品して頂きましたが、市販品の特級サイズと同じ、もしくはそれ以上の大きな球根をたくさん納品して頂きました。タマネギ栽培のノウハウが生かされているようです。また、生産者としては、収穫時にタマネギよりもサフランの球根が重くないことも、作業性として良いことのようです。
サフランの球根(左:
大網白里市産、右: 市販品)
昨年11月上旬の状態
昨年11月中旬に開花
その収穫されたサフランですが、海外産に比べて雌ずいが長く、色も濃い赤色です。お湯にそそぐと黄色の濃さも香りも違います。以前にこれでパエリアとサフランライスを作ってみましたが、香りがとても良く、ついつい白ワインを飲み過ぎてしまいました。
乾燥させたサフランの雌ずい(上:
千葉大産、下: 海外産の市販品)
このサフランは、柏の葉キャンパスの売店「みらくる(http://www.fc.chiba-u.jp/mirakuru/)」と、一社)日本薬用機能性植物推進機構のHP(https://jfppa.or.jp/plant/)で販売しています。
(渡辺 均)
外気温が下がるとパイナップルの耐寒性が心配になる今日この頃です。
修士2年の三宅です。
9月に宮城県仙台市の東北医科薬科大学で開催された日本生薬学会第69回年会にてポスター発表を行いました。
発表内容は1年生オタネニンジンにおける光合成速度と可溶性糖類の日内変化です。
陰生植物であるオタネニンジンは、生育が緩慢で播種から収穫までに6年を要し、土づくりにも2~3年を要します。また、オタネニンジンの栽培の難易度や出荷先等の問題が要因で、国内の生産者は減少が続いています。一方、オタネニンジンの需要は増加傾向で、需要に対応できる効率的な栽培方法が求められています。
こうした背景から、私の所属する研究室では、閉鎖型苗生産システムを用いることで、2年かかる育苗期間を1年に短縮する技術を開発しています。
しかし、オタネニンジンの詳細な生理(光合成の特性や糖の代謝)は、あまり解明されておらず、これらの点を解明することで閉鎖型苗生産システムの持つ環境制御ができるという利点を生かし、さらなる早期育苗や栽培期間の短縮化が期待されています。
学会までの心情を3つのキーワードで表すと、「心配」「不安」「緊張」です。ポスター発表の前日は、特に緊張しましたが、発表が始まると落ち着いて発表することができました。発表では約10名の方に訪れて頂き、質疑応答等、とても実力が付く機会となりました。
日々の実験では、徹夜で睡魔と戦いながらデータを収集する時もあります。発表を経験したことでこれらの実験のモチベーションアップにも繋がりました。
ですが、課題点が浮き彫りになったことも事実です。実験スケジュールや発表資料の構成等、修論発表会までに改善すべき多くの点を実感しました。
(修士2年:三宅)
先週からの続きとなります。前回同様、本記事は、
今回は、刈った芝を廃棄する際の温室効果ガスの排出量は?について、ご紹介します。
「植物は光合成によってCO2を固定します。そのため環境に良いです。」というのが、一般的なイメージかと思います。しかし、光合成によって固定されたCO2は、焼却処分などの植物が廃棄されるタイミングで再び大気中にリリースされてしまいます。芝などの草本植物は、木本植物と比較し、この廃棄に至るまでの期間(寿命)が一般的に短いと想定されるため、CO2固定に対する貢献も懐疑的な意見が多いのが現状です。その結果、カーボンクレジット等の制度設計において、木本植物に後れをとっています。
では、この廃棄という「パンドラの箱」を開けてもなお、芝地が環境に良いことが証明されれば、草本植物だって、温室効果ガスの固定に貢献できることを証明できるのでは?というのが、本研究の一つの肝です。
切り芝の生産時や、ゴルフ場などの芝地の維持管理時において、芝刈りは、必須の作業です。我々の調査によると、芝刈りで発生した刈った芝(以後、刈り芝)は、焼却処分もしくは野積み(一か所に纏めて放置)という形で、廃棄されるのが一般的であることが分かりました。加えて、近年注目の集まるバイオ炭という技術に着目し、本研究では、刈り芝「焼却」、「野積み」、「バイオ炭」の3つの方法をとった場合の温室効果ガスの排出量を定量しました。
その結果、新鮮重1tの刈り芝を焼却する場合は0.7 t-CO2e、野積みの場合は0.2 t-CO2eの温室効果ガスが放出されることが分かった一方で、バイオ炭にした場合は-0.2
t-CO2eの温室効果ガス削減(固定)に繋がることが明らかとなりました。
この数値を算出したことによって、切り芝の生産段階や芝地の維持管理段階の温室効果ガス収支を網羅的に定量していくことが可能になりました。
では、古い芝地を廃棄(撤去)する場合はどうなの?というツッコミが聞こえてきますが、それは今後の宿題かなと思っています。もちろん、今回の刈り芝の値とそう違わないと思いますし、今回の論文では、論理的な矛盾を生じてしまうため、調査の対象外としたという経緯もあります…(言い訳)
上記のように今後も調査すべきことは多いですが、木本を含め、植物の温室効果ガス収支の評価に関する論文で、「廃棄」を加えた知見は、私の知る限りでは初と思います。そのため、今回のデータは緑化や植物生産時の「廃棄」に関する貴重な知見を提供できたといえます。
次回は、「種子などから切り芝をつくる際の温室効果ガス収支は?」をご紹介します。
黒沼
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 2カ月間の夏休みが終了し、今日から後半戦が始まりました。
さて先日、北海道へ行ってきました。その目的は、新たなキクイモ品種を作るプロジェクトで圃場に定植したキクイモの生育状況を確認するためです。
キクイモに関連する以前のブログは、下記をご参照下さい。
◎
丸いキクイモ、赤いキクイモ(2023年4月3日)
http://naeseisan2.blogspot.com/2023/04/blog-post.html
◎
赤いキクイモ(2022年10月31日)
http://naeseisan2.blogspot.com/2022/10/blog-post_31.html
共同研究を行なっている方から、「大きく育っていますよ~。」とは聞いていましたが・・・・・。今年の春にも小さな塊茎を1球ずつ定植して頂いたのですが、それが3m近くに生長し、うっそうとした状態になっていました。
時期的に収穫にはまだ早いのですが、地下部の生育状況が気になるので、試しに掘って頂きました。
小さな塊茎がたくさん出てきました。その数は、なんと1株に50個以上! 形状もごつごつしておらず、目標としているサトイモ型の丸いキクイモになっていました。
キクイモを大規模に生産するためには、機械での収穫、収穫後の塊茎の洗浄などを考慮すると、丸い形状のキクイモでないと出荷~加工するまでに多くの労力とコストがかかってしまいます。「丸いキクイモ」であることが新しい品種の必須条件でしたので、まずはひと安心です。
今後は、11月の収穫時期に再度調査を行い、塊茎の形状、1株当たりの収穫量、着色状況とイヌリンの含有量などを調査し、新しい品種の候補を選ぶ予定です。
(渡辺 均)