2020年10月19日月曜日

小さくてもオオナルコユリ

花卉・苗生産部では、数年前からオオナルコユリの播種を行なっています。多い年には40万粒以上播種したことも。

オオナルコユリは、宿根草しての観賞性もありますが、山菜としても利用されています。若芽がアスパラガスのような味と食感です。天ぷらやおひたしにすると、それは絶品です! 根は民間薬としても古くから滋養強壮、強精薬として利用されてきました。江戸時代には、すでに黄精が今でいう健康食品として、ブームが起きていたようです。

 

そんな良いところばかりの植物ですが欠点も・・・。それは、生育が非常に遅いこと。土を掘って根茎を観察すると、1年にわずか数cmしか伸びていません。山菜として山採りされたり、株ごと持ち去られたりしてしまうと、なかなか回復せず、個体数もどんどん減ってしまいます。

 

であれば、種子で大量に殖やそうと秋に果実を収穫し、果肉を洗浄して播種すると、翌春には発根はしてきますが発芽はせず(上胚軸休眠)、さらに翌年の春にならないと芽が出てきません。発芽までに2年! 下の画像は、3年生の株です。秋になり地上部が黄色くなってきました。

 

地下部を見ると、下の画像のように3つに分かれています。わかりますか? 下の画像の右側の株がわかりやすいですね。

 


 


 

大きく生長するまでに、かなりの時間がかかる植物ですが、毎年数十万粒の種子を播いて株を育てて行くと、数年後には・・・。せいぜい数ヶ月が勝負の野菜や花卉生産と比較すると、また違った時間軸での新たな農業ビジネスの展開ができるのではないかと考えています。

(渡辺 均)

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