2020年8月10日月曜日

トウキの暑さ対策

梅雨明けしたと思ったら、こちらではまとまった雨が降りません。今度は高温と干ばつが心配されます。

 

先日のブログで、来年播種用のトウキの採種をご紹介しましたが、種子の精選はこれからですが、十分な量の種子を採ることができました。 

再来年播種用(来年採種用)のトウキは?というと、今年の3月に播種し、5月にポット上げ、6月に定植しました。その株の乾燥対策、暑さ対策を施さなければなりません。具体的には、暑くなる前に敷き藁(藁を株元に敷く)をしたかったのですが、雨が続くと外作業はできず、晴天・高温が続くと外での作業はなかなか勇気がいります。 雨で濡れるのか、汗だくになるのかの違いなのですが・・・。 結局、梅雨明け後に、意を決して作業を行ないました。

  

今ごろ敷き藁? ビニルマルチ(被覆資材)を使わないの? と思われるかも知れませんが、地温の上昇を抑えつつ、通気性を保つためには、植物資材(藁など)の方がトウキの生育には良いようです。生薬メーカーの偉い先生は、ビニルマルチ使って栽培をすると、欠株が増え、生薬・当帰の品質も悪くなると仰います。その真意は良くわかりませんが、間違いでもなさそうです。   

 

よく黒色のビニルマルチが使われていますが、春先の地温の上昇や地温の維持には効果はありますが、夏場は暑すぎて根が傷んでしまいます。また、白色や銀色のマルチ資材もありますが、植物資材に比べて通気性が劣ります。一方で、敷き藁などの植物資材も良いことばかりではなく、栽培する作物によっては病害虫の原因になることもあります。

 

作業は、汗だくになりながら藁を敷き、風で飛ばされないように支柱で固定し、2畝分を1時間半ほどで完了させました。

 

 人間だけでなく、植物も夏バテをします。その対策として、根が傷んでしまわないように鉢植えやコンテナ栽培の場合には、板やブロックで直射日光が株元や容器に当たらないようにカバーすると植物へのダメージを軽減することができます。 また、西日を避け、日中の灌水を避け、風通しの良い場所で管理するだけでも生育は違ってきます。 それにしても、汗をかいた後の冷たいビールは最高ですね。私はこれで生き返ります!  

 

(渡辺 均)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年8月7日金曜日

夏の花の紹介

こんにちは、学部3年の水谷です。

こちら柏では、梅雨が明けてからというもの、お日様がぎらぎらと照り付ける晴れの日が続いております。しばらくお日様に当たっていなかった植物はぐんぐん成長をする一方で、私は暑さに耐えきれずぐったりしております。

さて、今回はそんな暑い日にも花を咲かせる、夏の花の紹介です。

ハイビスカス(Hibiscus)といえば、南国をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
こちらは2段咲きの少し変わったハイビスカスです。雄しべが花弁化して、花が2つ咲いているような、おもしろい咲き方になっています。


 コエビソウ(Justicia brandegeeana)も夏を代表する植物の1つですね。アーチ状になった花序は小エビのようなかわいらしさです。


こちらは黄色花の品種です。白いエビもおいしそうです。



 プルメリア(Plumeria)といえばハワイを代表する花です。街路樹や植え込みなんかに使われているそうです。こちらはよく見かける白花ですが、ピンクや黄色など花色が豊富で大変多くの種類があります。



まだまだ夏は続きそうです。今回紹介した植物と同じように、暑さに負けてしまわないように頑張っていきましょう。


(学部3年:水谷)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年8月6日木曜日

真夏のパンジー・ビオラ

暑さが苦手でお馴染みのパンジービオラを、
真夏の最も難しい時期を乗り越え、
できるだけ形良く仕上げたい・・・。

そんな思いから「実験」とまでいきませんが、
千葉大の真夏のハウスで、パンジービオラがどのように育つのか、
試作をしてみています。

おもに灌水量の変化で仕上がりにどんな変化が出るのか、
矮化剤のタイミングはいつか、といったことを
知るために、以下の違いをつけました。

・灌水の多少
(週に1~2回たっぷりと灌水し、乾くことがない灌水多めの群と、
1日に1~2回灌水、朝には乾いている灌水少な目の群)
・灌水少なめの群の中で、矮化剤の有無

6/30にポット上げをし、8/5の状態がこちら↓です。



(※写真のアングルが一定でない・ポット数が少なすぎる等、
一般的な実験からすると粗すぎる写真ではありますが、
いち担当のごく個人的な試作ですのでご容赦ください)

上の写真は、違いが顕著であったビオラのイエローとホワイト
2ポットずつを各群で並べたものです。
左から、水少なめ・水多め・水少なめ+矮化剤・水少なめ
の群の中から、代表的なポットを抽出し並べています。

ポット上げ後2~3週の生育初期の段階では
実はあまり違いがみられなかったのですが、
ポット上げ後1ヶ月程経った現在は大きさや株元の安定度に
明らかな違いがみられています。
とても参考になった試作でした。

手間をかけられる時間が限られる中で、
真夏のパンジービオラをいかに形良く仕上げられるか、、、
ポット苗担当の現在の最大の悩みです。
仲井

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年8月4日火曜日

蛮行?

 ついに梅雨が明けて、夏らしい天気が続いております。暑さは厳しいものですが、空を見上げると、諦めがつく分、多少気持ちも晴れやかです。

 さて、先月末にジャパンフラワーセレクションの審査会が開催され、梅雨時期にどのようなガーデンパフォーマンスを示したのか?が審査されました。
そして、ピークを過ぎた植物たちは、役目を終え、私の手によって廃棄されます。


 毎年のことですが、廃棄作業時は大学を通行している方の視線を感じることが多いです。おそらく、綺麗な花壇から、植物を引き抜き、地面に叩きつけている(余計な土を取り除くため)という蛮行を繰り返す男にみられているのでしょう・・・笑
 皆さん、人を見た目で判断してはいけません。蛮行を繰り返しているようで、心のなかでは「全米が泣いた」くらいの涙を流しながら、作業にあたっています。笑


 また、廃棄作業は、悪いことだけではありません。下記の写真のように、隣の品種が廃棄されたことで、普段みれない群植の断面がしっかり観察できます!



 綺麗なアーチを描いていますね。この植物が今後、光を求めて、どのように形を変えていくのか、またの機会に報告しようと思います。

 これからの季節は、植物も人間も強日射と高温との戦いです。周囲に人がいない場合は、マスクを外して作業をするなど、工夫が必要ですね。



黒沼

 


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年8月3日月曜日

実習で何を教えているのか?

8月に入り大学は、対面での実習や実験が開始されました。新型コロナウイルスの感染も心配ですが、4月からオンライン授業だけを受講してきた学生さんにとっては、梅雨明けの猛暑の中、いきなり圃場で終日実習というと、熱中症もかなり心配になります。

そんな中、実習の目的とは? と自問しつつ、一方で、今日のタイトルのようなお叱りを園芸業界、生産者から受けることもあります。大学を卒業しても植物を知らない、栽培ができない、作業中のコミュニケーションがはかれない・・・。これも大学や大学教員の責任? と思いながら、できるだけ生きた植物に触れ、少しでも生産現場の感覚を養える実習の意義を学生さんに伝えられたらと思っています。

一方で、日々の植物への関心の薄さにも問題があるのではないかと感じています。このブログをお読みのお子さんのいらっしゃる親御さん、大学の先生や小中高の先生、機会がありましたら以下の設問を出題してみて下さい。

1.ヒマワリの種子を土の中に播き、子葉(双葉)が展開するまでを5つのコマに分けて図示しなさい。
2.パイナップルの果実が実る様子を図示しなさい。
 3.以下の植物の名前を書きなさい。


  
根も出さずにいきなり種子から子葉が展開してきたり、リンゴやナシのように枝先にパイナップルが実っていたり、果実が土の中にあったり、道端に普通に生えているこの植物の名前が出てこなかったりと、現状はかなり深刻です。

なぜ知らないのかと聞くと、学校で教わっていないからだと。日常生活の中での体験や学びの不足も一因のように思いますが・・・

大学教員として、実業界のご期待に副いたいとは思いつつも、実習を通じて少しずつ、現場感覚を養っていくしかないように感じています。

 

(渡辺 均)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年7月31日金曜日

シクラメン観察日記

こんにちは。学部3年の君島です。

最近ではセミも鳴きだし、だんだんと夏らしい雰囲気が出てきました。
しかし、まだまだ雨や曇りが続くじめじめした日々が続いています。晴れわたる青空が懐かしく感じますね。
鬱蒼とした気分にならず、コロナウイルスにも負けずに頑張っていきましょう。

今回は前回に引き続き、私の実験植物であるシクラメンの成長の報告をしたいと思います!(前回のブログはこちら→https://naeseisan2.blogspot.com/2020/06/blog-post_19.html

前回のブログで乗せた株の状態は下のようにまだ葉がまだ小さく、少ない状態でしたが…


たった1ヶ月でこのように大きくなりました!

今は葉の枚数も増え、何倍もの大きさになっています。
また、株のサイズがアップしたことで「葉分け」という作業が必要となりました。
この作業により、株元への風通しや光の通りをよくすることで,株の生育促進を図ります。

この作業を通し,最近の天候不良にも負けず、自身の株が無事成長していることを感じ取ることができとてもうれしく思いました!!

皆様も長雨が続き気持ちがさがるこの季節だからこそ、身近にある植物の変化などに目を向け、前向きな気持ちになってみてはいかがでしょうか。


(学部3年:君島)


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

2020年7月30日木曜日

秋冬物の準備

昨日今日は涼しくて過ごしやすかったですね。
今年は梅雨が長引いており、植物は徒長気味に、腐敗や病気も気になりますね。
しかし作業をする人間には快適なので、晴れてほしいけど暑くならないでほしいジレンマに苛まれています。

さて明日から8月、本来なら夏真っ盛りの暑い時期になりますが、
苗生産では秋冬物の播種真っ盛りの時期になります。
テーブルの上には播種を待つセルトレイの山が…ほとんどを8月中に使い切ります。

その先駆けとして、ブロッコリーの播種を行いました。
ブロッコリーのタネは”青いタネ”ではなく、元々茶色いタネに薬剤や着色剤などがコーティングされ青くされている種です。コーティング剤によって播種後の視認性の向上や生育初期の腐敗などを防ぐことができます。

アブラナ科のタネは丸くてドラムシーダーの穴に1粒づつ綺麗に吸引されるので、
播きやすいですね。

しかし、やはり機械なので補正は必要です‼
1穴の中にしっかりと播かれているか、他粒播きになっていないかを確認して、
土と種子の密着率を上げるために指で鎮圧します。

 さらにに覆土と灌水をして、2日間ほどカバーでくるんで発芽をさせます。

発芽後20日間ほどで苗となり出荷されます。
今回播種した苗は柏市高田にある農産物直売所に野菜を卸している農家さんに行きます。
機会があったら晩秋に探してみてください。
【新澤】

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ

ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!

トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ

花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・