2015年11月24日火曜日

なにかが足りない


この写真↓



ペチュニアの挿し芽をしたセルトレーですが、少し葉が黄色っぽい株が混ざっています。

ごく稀に、葉が黄色くなる突然変異体が出現して、「オーレア」などと呼ばれて珍重される場合もあるのですが、この写真の株は違います。

おそらく原因は微量要素の欠乏によるものでしょう。

植物の成長に必要な養分としては、
窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)が三要素として有名ですね。
市販の肥料も配合比率はいろいろありますが、これらはたいてい入っているものです。

しかしそれだけでは十分ではありません。
ほかに、
炭素、水素、酸素、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデン、塩素、ニッケル
が、植物に必要な必須要素として挙げられます。

窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、硫黄は「多量要素」、
鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、塩素、モリブデン、ニッケルは「微量要素」
と呼ばれています。

これらの過不足によって、生理障害が生じることがあります。
例えば、トマトの尻腐れはカルシウムが不足(欠乏)により生じます。

上の写真のペチュニアの場合は、おそらく微量要素である、鉄の欠乏によるものと思われます。
根から十分な量の鉄分を吸収することができていないのですが、用土や灌水に用いる水がアルカリ性になると、鉄分の吸収が妨げられることがあります。
あるいは、根が弱っていたり、根量が少なければ、やはり十分な養分の吸収ができなくなります。

こういった症状が出た場合は、欠乏している要素を人為的に与えてやる必要があります。
鉄の場合は、塩化第二鉄や鉄キレート剤を葉面散布したり、灌注したりといった対策をとります。
ただし、与えすぎれば過剰障害を生じる場合もあり、注意が必要です。

微量要素の欠乏・過剰による生理障害の診断はなかなか難しく、欠乏だと思っていたら過剰だった、ということもあり得ます。

植物の生産では、病害虫だけでなく、こういった症状にも日々気を配り、対策をすることが重要なんです。


(金谷)


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