2015年11月16日月曜日

シクラメン生産者への視察

柏の葉の花卉・苗生産部のシクラメン栽培も、シクラメン祭に向けていよいよ佳境に入ってきましたが、先日研究室の学生さんと技術職員とで群馬のシクラメン生産者さんの所へ見学に行ってきました。

学生さんにとっても花卉・苗生産部で栽培をしているからこそ、他所の生産者さんの栽培現場を見学することで、栽培方法や品質の違いについてより深い理解をすることができます。

今回は、群馬県館林近郊の園芸別科OBの野本(誠養園)さん、峯岸(峯岸園芸)さん、石川(石川花園)さんの3軒の生産者さんのハウスにお邪魔しました。皆さん最後の仕上げでお忙しいところ、ご案内下さいまして有難うございました。

館林は日本一暑いところで有名ですが、その暑さに負けない丈夫で品質の高いシクラメンを生産していることでも知られています。
出荷が始まったばかりということで、どのハウスも花でいっぱいです。

それぞれの生産者さんで栽培方法に関する考え方が違うため、栽培用土、灌水方法、施肥方法など、ご近所で生産していながらかなり違っていました。それでも、開花の早晩はありましたが、葉が多くがっちりとした品質の高い株に仕上がっていました。

野本さんのシクラメンハウス

野本さんは自家採種もされているので、栽培方法だけではなく、採種方法やF1品種の作り方についてのレクチャーもして頂きました。

峯岸さんは2万鉢弱の生産を行なっており、地域のリーダー的な存在でもありました。おもに底面灌水で効率的な栽培管理を心がけているようでした。

石川花園さんのハウスは軒が高く、夏場の高温に配慮された設計になっていました。また、数千鉢をすべて手灌水で生産されているため、その分鉢土や栽培管理についても工夫がされていました。
石川花園さんの生産ハウス


中輪系の5号鉢のシクラメンも株がギュッと締まり、
あとは出荷を待つばかりです。


三者三様の考え方で生産されているシクラメンでしたが、より良いものを作ろうとする思いが伝わってきました。種子を播いてから1年近くを要するシクラメン栽培には、やり直しがききません。そのため、毎年気象条件が異なる中、日々の的確な栽培管理とデータの蓄積が栽培技術の向上には不可欠です。学生さんにとっても良い勉強の機会になったのではないでしょうか。


  (渡辺均)

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