2023年9月26日火曜日

芝地の温室効果ガス収支 その①

 昨年度から取り組んでおりました(株)本田技術研究所様との共同研究成果が、論文化されましたので、数回に分けて、その成果をご紹介いたします。

 本記事は、Inclusive greenhouse gas budget assessment in turfs: From turf production to disposal of grass clippings(和訳:芝地における包括的な温室効果ガス収支評価:芝の生産から刈り芝の廃棄まで)というタイトルで、Journal of Environmental Managementに掲載された内容を簡単に纏めたものです。詳細が気になる方は、下記URLより論文をダウンロード頂けます。

 昨今、テレビCMなどでよく聞く「カーボンニュートラル」という言葉。これは2050年までに、CO2などの温室効果ガスの排出量と吸収・固定量を同程度にすることで、地球上の温室効果ガスをニュートラル(中立的)な状態にする、という考え方です。日本を含む120ヵ国以上がこの宣言に同意しています。

 現時点では、圧倒的に温室効果ガス排出量が大きいため、排出量を削減するとともに、温室効果ガスを吸収・固定する技術や方法論が求められています。そこで、我々が着目したのが、芝地です。芝地は最も一般的な草本性緑地ですが、温室効果ガスの固定効果に関する知見が少なく、様々な制度設計においても、木本植物に後れをとっています。

 そこで、我々はライフサイクルアセスメントと呼ばれる手法を、芝の一生(種子から刈った芝の廃棄まで)に適用し、CO2、N2O、CH4の収支を定量することで、芝地は温室効果ガスの吸収源になり得るのか?を検証しました。

主な構成は、以下のとおりです。
・刈った芝を廃棄する際の温室効果ガスの排出量は?
・種子などから切り芝をつくる際の温室効果ガス収支は?
・芝の利用時(ゴルフ場や都市公園など)の温室効果ガス収支は?
・上記を全部まとめた結果、芝地は温室効果ガスの吸収源になり得る?

 さて、結果はどうだったのか?来週へ続く!



黒沼


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