今年は雪がよく降りますね。
北海道生まれの私にとっては、雪が降った朝のやや湿気のある空気は何とも懐かしく、逆に湿度の低い冬の関東のからっ風は、寒さが身に沁みます。おかしなものですね。
先日の雪で、柏の葉キャンパスも一面真っ白になりました。ノウサギの足跡が・・・・・。
花卉・苗生産部では、降雪が予想される日は、あらかじめ、ハウス内の暖房機の設定温度を上げて、屋根に降った雪を溶かし、雪の重みでハウスが倒壊するのを防いでいます。無加温のハウスや、上面だけビニールが張られている雨除けハウスは、そうはいきません。しっかり屋根に雪が積もります。
そこで登場するのが、T字型のほうき、正式名称を自在箒(じざいぼうき)といいます。ハウスの内
側から雪の重みでたわんだところを何回か押してやると、雪がザザーっと滑り落ちます。雪と一緒に屋根の汚れも落としてくれます。
松戸キャンパスの研究室に在籍していた平成の学生時代、雪の降った朝は9時までに全員登校し、教員の出勤前までに通路の除雪だけではなく、全てのハウスの屋根の雪を降ろさなければなりませんでした。今では考えられないことですが・・・・・。研究ハウスはすべて無加温でしたので、雪がしっかり積もりました。
その頃の学生は、そもそもオンボロなハウスなのに箒の柄の部分で屋根を突いて、ハウスに大きな穴を開けたり(当然、開けた本人に雪が落ちてきます)、ハウスの屋根に上って足を踏み外し、大量の雪とともにハウス内に落ちて宙づりになったりと・・・・・。ちなみに、すべて私ではありません(念のため)。
どう考えても、雪降ろし作業というより、ハウスを壊しているとしか思えないような作業でもありました。当然、ハウスの修理も学生で行ないますので、屋根に上がれる学生は、その後の修復に相当な手間と時間をかけた記憶があります。
あれから三十余年、その経験が今も生きている? 昔のことを思い出しながら、T字のほうきを使って、屋根を破ることなく雨除けハウスの雪を落としました。
(渡辺 均)
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