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花卉・苗生産グループの生産施設内の灌水は、1温室を除いてほぼすべてのハウスでファインバブル水を使用しています。その効果は、耐環境性の付与(耐暑性、耐寒性)、生育・開花促進、耐病性の向上、休眠打破の促進(種子・球根)、発芽率の向上、挿し木の歩留まりの向上、連作障害の回避などが挙げられます。猛暑の夏越し対策としても、私たちの生産施設には無くてはならない水となりました。特に12月に出荷するシクラメンやセネッティ(ペリカリス)の生産では、夏越し対策として大きな効果をあげています。
パンジーにおけるファインバブル水の効果(上;
対照区、下; ファインバブル水で灌水)
上の画像のようにパンジーのポット苗生産においても、根の張りや株のボリュームに違いが確認されました。また、下の画像のように切り戻しを行なったヨモギにファインバブル水を与えたところ、まるで春の芽吹き引きのように生き生きとした新芽がいっせいに伸びてきました。通常、ヨモギは気温が下がる秋には生育が衰えてくるはずですが・・・・・。
切り戻し後にファインバブル水で灌水を続けたヨモギ
一方で秋咲きの球根類(リコリス、サフランなど)は、ほとんど開花せず、いっせいに葉を展開し始めました。ファインバブル水を与えたことにより花飛び(アボーション)が発生したようですが、球根の肥大にはプラスに影響しているようです。
植物によってファインバブル水への反応は異なりますが、その要因は今のところ良く分かりません。ただ、科ごとにその反応の傾向は異なっているようで、とても興味深く観察を続けています。
(渡辺 均)
昨年に続き、今年も園芸学科2年生の実習でビカクシダの胞子(胞子囊)をまきました。花の実習ではさまざまな繁殖方法を理解することを目的に行なっています。種まきや挿し芽はもちろんのこと、株分けや分球、葉挿しも実習のメニューに含まれています。
夏休み前の7月にビカクシダの胞子葉を切り取り、ピンセットを使って胞子囊の部分を削り取り、3号ポットに詰めたミズゴケに播きました。ミズゴケを使うことも、学生さんにとっては初めての経験です。
成熟したビカクシダの胞子囊(一部切り取られています)
ポットにまき終えたものは、25℃の発芽室内でほぼ毎日灌水し、胞子をまいて1ヶ月ほどでミズゴケが緑色になり、3ヶ月ほど経過した頃から小さな葉が見え始めました。それから薄い液肥を定期的に与えたところ、目に見えて子株が大きくなってきました。
胞子をまいて4ヶ月が経過したビカクシダの子株(先生の見本)
学生さんによりミズゴケの詰め方も子株の数もいろいろ
水ゴケ一面に子株が生長しているポットもあれば、ほとんど無いものもあり、学生さんによってまちまちです。おそらく、胞子(胞子囊)のステージやまく量、まき方に違いがあったのかと思いますが、今となってはその原因は分かりません。
一年ほど経過すると、下の画像のようにかなり大きくなってきます。このくらい大きくなったら鉢から抜き取り、ヘゴ材や木材などに縛り付け、吊り下げられるような仕立てにしていきます。この作業は3年生の専門実習で行なう予定です。
昨年の実習の子株
学生のうちにいろいろな植物に触れ、繁殖方法をはじめ様々な栽培技術を学んでおくことは、とても大切なことだと思っています。
(渡辺 均)
例年11月はこの作業!
サフランの採花の月です。今年の猛暑の影響でサフランの芽の動きが例年より早いようです。
サフラン球根の棚栽培
9月に納品された130㎏弱の球根を育苗トレイに隙間なく詰め、台車に並べ、光が入らないように銀マルチで覆いました。それから1ヶ月半ほど経過した状態が上の画像です。白い芽がいっせいに伸びています。
この方法は、露地栽培と違って天候に左右されることなく、腰を屈めることもなく花(雌ずい・めしべ)の収穫が可能です。棚栽培は狭い場所で集約的な作業ができますが、そうは言っても、開花期間は長くても2週間ほどですので、その間に摘み取り作業が集中してしまいます。あと1週間ほどでその修羅場がやってきます・・・・・。
(渡辺 均)
11月3日(月・祝)10時~14時は、年に1回のセンター祭の日です。大学で収穫された農作物の即売会などが開催されます。私は花のブースで花の販売のお手伝いです。
さて、先週は2024年の7月に収穫され、約1年間保存されていたオタネニンジンのタネを播きました。猛暑のせいか、2025年産のタネの入手の目途は立っておりませんが、1年間保存したタネの発芽能力の確認もあり、播いてみることにしました。
昨年の今頃に芽切りが完了したタネを乾燥させ、2℃の冷蔵庫で保管を続けておりました。それを取り出して容器に取り分け霧吹きでしっかり灌水した後、15℃の暗黒条件に置くと1週間ほどで発根が始まります。
発芽処理
およそ1週間後、白い根が出てきました
発根が始まったタネをピンセットで拾い上げ、根を傷つけないように1粒ずつプランターとポットに播きました。このような方法で播くと5日ほどで出芽してきます。さらに生育の揃った苗を得ることができます。
1粒ずつ根の向きを見ながら播いていきます
生育の揃ったオタネニンジン苗
揃った苗を得るためには、細かな実験データとノウハウの積み重ねがとても重要になってきます。また、毎年タネが入手できなくなることを考えると長期保存と良苗生産技術の確立がますます重要になってきます。
(渡辺 均)