今日は5月5日、端午の節句です。端午の節句は、古くから香りの強いショウブやヨモギを使って邪気を払い、無病息災や長寿を願う行事として行われてきました。ヨモギは今でもショウブと一緒に玄関先に吊り下げたり、お風呂に入れたりする習慣があります。しかし、最近ではこのようなことが行われなくなり、柏餅(カシワの葉)の消費も以前と比べるとかなり落ち込んでいるようです。
そのヨモギ、当研究室では各地から収集した180株ほどを栽培管理していますが、3月に植え替え(株の更新)を行ないました。狭い鉢の中で長く管理していると、2年目以降は急速に生長が悪くなってしまうため、毎年、株の更新を行なっています。
1年間栽培されたヨモギ(ポットの中は地下茎でいっぱい)
地下茎を含む株を切り取って定植
植え替え完了!
植え付け後、2週間ほど寒冷紗で直射日光を避け活着を促します。
それから、さらに1ヶ月ほど経過すると、それぞれの株の‘個性’がよりはっきりとしてきます。株が生長するにつれて分枝が進み葉も小さくなりますが、この時期は茎も太く、葉も大きいため、それぞれの系統の特徴を良く表してくれます。
定植後勢いよく生長を開始!
異なる9株のヨモギの葉
上の画像のように、同じ条件で定植し、ほぼ同じ茎の高さから採集した葉でも、大小や形、切れ込みの深さなど、どれ一つとして同じものがありません。左から2番目の葉身は私の手のひらほどです。
江戸期の植物画を見る機会があり、そこにヨモギらしい植物を確認することができました。古くから邪気を払うと言われ、人々に知られ利用されてきたヨモギですが、ではヨモギは昔からこれだけ変異に富んでいたのでしょうか?
もし昔から変異があったのであれば、私たち日本人は古くから‘典型的なヨモギ’の形を認識しつつ、多様なヨモギを利用してきたのかも知れません。もしくは、地方や地域によって、自生しているヨモギの形状が異なることから、‘典型的なヨモギ’として認識されている形がそもそも地方や地域によって違っているかも知れません。興味は尽きません。
(渡辺 均)
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