
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
花卉・苗生産ブログを応援してくださる方は、
こちらを1日1回クリックしていただけると、、、

人気ブログランキングへ
ブログランキングがあがります。
これからも応援よろしくおねがいします!
トレイ販売を始めました。
詳しくはホームページへ!
花卉・苗生産部トレイ販売ページ
花卉・苗生産ブログに関するお問い合せは、
こちらからどうぞ→fc-naeseisan@office.chiba-u.jp
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
連日の猛暑によりガーデニングをする人が激減し、ホームセンターなどでの屋外向けの植物はまったく売れていないとか・・・・・。家庭菜園を断念された方も多いようです。ここまで暑いと確かに外にも出たくないですからね。
そうは言っても、種子を播いてしまった植物は待ってはくれません。この猛暑の中、中医薬を扱うメーカーからの依頼で、ヒヨドリジョウゴ(ナス科
・ Solanum lyratum Thunb.)の苗を定植しました。ヒヨドリジョウゴは全草を生薬「白毛藤」として用いられます。漢方では使用されませんが、中医薬を扱う先生には国産のヒヨドリジョウゴのニーズが多少はあるようです。
ヒヨドリジョウゴは、林縁などのやや湿った半日陰の場所を好むつる性の多年草です。株元は他の植物の陰になることが多いですが、地上部は他の植物につかまりながら上へ、横へと伸び、7月中旬から9月上旬頃に花を咲かせ、秋には赤い果実をつけます。生薬メーカーからの依頼があったのが4月でしたので、そこから種子を播いて苗を育てたため、この時期(8月)の定植になってしまいました。
定植場所は採種用のトウキが植えられていましたので、採種の終わった株をすべて抜き取り、雑草を抜き、堆肥と元肥を入れて耕し、畝立てし、地温の上昇と乾燥を防ぐために藁を厚く敷き、その上に灌水チューブを通して固定し、株間25㎝で定植しました。その数およそ200株! その後、チューブで灌水しながら、支柱を立て、紐を張ってツルを誘引して作業完了です!
定植されたヒヨドリジョウゴ
この猛暑の中でかなりキツイ作業でした。時には植物ファーストではなく、自分ファーストでいかないと・・・・・。まずは、苗や生薬原料のご注文はお早めにお願い致します。
(渡辺 均)
8月もあと2週間となり、子供たちの夏休みも残り僅かとなりました。夏休みの宿題も自由研究も読書感想文も、今は任意(選択)のようで、子供たちは締め切りに追われることなく、のびのびと夏休みを過ごしているのでしょうか。
私にとっての夏休みの宿題の思い出は・・・・・。
これで叩くとガラスが割れそうなハエ叩きの工作(針金が太すぎた!)、始業式の朝に徹夜して描き上げた絵(何を描いたかは忘れましたが、この苦痛だけは今でも記憶に残っています)、中学生の頃、いつになっても何日読んでも登場しない「白鯨」の読書感想文・・・・・。なぜ「白鯨」を読もうと思ったのか・・・・・?
夏休みの宿題には、何かと苦労してきました(笑)。
さて、今日はカラスウリから天花粉を集める(?)という話題です。キカラスウリ(Trichosanthes kirilowii Maxim. var.
japonica (Miq.))、オオカラスウリ(Trichosanthes bracteata (Lam.) Voigt)は国内に自生するウリ科の植物です。大小はありますが、カラスウリと違って果実が球形なのが特徴です。両種とも鹿児島県内で採種したものです。両種のサツマイモのような根(塊根)からはデンプンが採れ、それが本来の「天花粉」。皮を剥いた塊根は生薬「栝楼根(かろこん)」、乾燥させた種子は栝楼仁(かろにん)として利用されます。
8年前ほど、鹿児島県内で両種の試作を行ないました。鹿児島といえばサツマイモですが、山間部では獣害(イノシシ)によりサツマイモの栽培が難しいということで、同じ農機具で栽培可能で、手間がかからず獣害のない「キカラスウリ」と「オオカラスウリ」の栽培を試みました。
3年間、安くはない試験栽培費をお支払いして、やっては見たものの、手間をかけなさすぎで早々に草に埋もれ・・・・・。ということで、結局、柏の葉キャンパス内の試験圃場で自ら再チャレンジすることに。
移植ラインの壁面を覆うキカラスウリ
上の画像のとおりで、これで2年目です。試験栽培?
壁面緑化?といえば、聞こえは良いですが、畑の隣の移植ラインの壁面がツルで覆われ廃屋のような外観になり、さらに室内にまでツルが侵入してきます。おまけにウリハムシが大発生!
技術職員の皆様、大変申し訳ございませんが、もうしばらくのご辛抱を! 時期的にはまだ早いのですが、他の植物の改植を兼ねて、試しに掘ってみました。
掘り上げたキカラスウリの塊根
茎を辿っていくとサツマイモよりやや深いところに塊根がありました。今回は、この塊根をすりおろして水にさらし、デンプン(天花粉)を集めてみたいと思います。この続きはいずれまた、夏休みの宿題にしておきます。
(渡辺 均)
大島
すでにお知らせをしておりますが、当研究室の同窓会組織である一社)花葉会(かようかい)が主催する花葉サマーセミナー2025を8月29日(金)~30日(土)に柏の葉キャンパス内で開催します。
今年のタイトルは
「カーボンニュートラルに向けた花みどり産業の進むべき道」。花卉業界などでは今まであまり取り上げられて来なかった話題です。昨年の花や緑の効果や効能に続き、今年は人だけではなく、花卉業界や緑化ビジネスが環境にも優しい産業に変革できる可能性について、皆様方と一緒に考えたいと思います。
スピーカーは、長年、この分野の研究を行なっている当研究室の黑沼准教授に基本的なカーボンニュートラルについての概念から、豊富な研究データを元にその可能性についてお話し頂きます。草本植物の炭素固定能力や土壌への貯留、土壌資材の地産地消と循環型社会の可能性などについてもお話して頂きます。また、すでに実践している先進的な生産者の事例紹介、各分野の先生方にその可能性をお話し頂きます。
詳細、お申し込みは、花葉会の下記HPをご参照下さい。
http://www.kayokai.net/seminar.html
花や緑は人々の健康に良いだけではなく、環境にも良い産業であることを業界自らが意識し、これから進むべき一つの方向性をお示しできればと考えております。皆様のご参加をお待ち申し上げます。
(渡辺 均)
8月に入り大学も夏季休業となりました。今年も3年生の専門実習(栽培・育種学専門実習)で受講生に直径45㎝の樽プランターにペチュニアを植え付け、7月末の実習でその完成度を評価しました。
今年は15基の樽プランターが並びました
花はタネを播いて生産物を作るだけではなく、美しく展示(魅せる)することも大切な要素です。ペチュニア‘さくらさくら’、‘桃色吐息’、‘おゆきちゃん’のポット苗を植えつけ、およそ2カ月にわたり栽培管理をして貰いました。その課題は・・・・・。
①
7月の最後の実習日に満開な状態に仕上げること
②
樽プランターの外側1/2まで植物(花)で覆われていること
③
上面、側面にバランスよく3色の花で覆われること など
さて、その結果は・・・・・。
いかがでしたか? 手入れをした学生さんの個性(?)が表れているようで、完成した作品もそれぞれですね。
植物の栽培や研究は、「目線をより植物に近づけて、よく観察すること」が大切です。言葉にすると簡単なようですが、観察から得られる情報を察知・理解して対応することがとても重要です。4カ月にわたる実習で少しでも植物への「目線」が近くなってくれたら良いのですが・・・・・。
(渡辺 均)