今日は、アジサイについて。
アジサイの花(正確には萼片です)の色は、
青や紫や赤など様々な色がありますが、
どの色でも基本的な色素は一緒です。
アジサイの花の色は、
デルフィニジンというアントシアニンで発色しています。
��正確には3-O-glucosyldelphinidinです。)
これは、青い花でも赤い花でも同じです。
このデルフィニジンという色素は、
青色になる色素なのですが、
アジサイではアルカリ土壌で栽培すると、
もともと青い花の品種でも赤っぽくなってしまいます。
よく青い花のアジサイを買ったのに、
庭に植えたら青いアジサイが咲かなくなったというのも関係しています。
これには、、、ある金属イオンが関わっているからなのです。
アジサイの青色には、アルミニウムイオンが深く関わっています。
アルカリ土壌だと、アジサイがアルミニウムイオンを吸収できなくなってしまい
色素が青くならなくなってしまって、
結果として赤くなってしまうのです。
��この他にも萼片のpHなども色に関わっていますが)
さて、、、、
アジサイの中には、季節の変化と供に、
花の色が変化していく品種があります。
白色から青色に変わっていって、
次第に緑色になって、さらにチェリーレッドの色合いになる、
こんな品種があります。
この品種は、通称カメレオンハイドランジアと呼ばれていて、
‘ホバリア ホミーゴ’という品種です。
この色の変化と供に、
当然、色素も変化していくのですが、、、、。
まず、最初の白色の状態では、
色素が全くありません。あるのは有機酸だけです。
で、青色へ変化するに従って、デルフィニジンが増えてきます。
さらに萼片の老化に伴って、緑色に変化していきます。
この緑色のときは、デルフィニジン色素が減少して、
クロロプラスト(緑色の色素)が増加します。
ここからさらに、チェリーレッドになるにつれて、
ある色素が増えていきます。
ここがとっても不思議なところなのですが、
そのある色素というのは、デルフィニジンではないのです。
その色素はなんとシアニンジン。
シアニジンは赤色になるアントシアニンですが、
普通の赤い花のアジサイでも色素は、
デルフィニジンで、シアニジンではないのに、
この変化するアジサイの最終段階の赤色では、
全く別の色素ができているという不思議な現象が起こっています。
どうして、デルフィニジンを作っていた花で、
シアニジンを作るようになるのかはまだまだ未知な部分が
多いのですが、秋の紅葉のメカニズムに似ているのかもしれませんね。
紅葉した赤い葉もシアニジンが主体ですし、
アジサイの花は、「花」ではなく「萼片」なので、
もともと性質が葉に近いことも何か関係しているかもしれません。
今日の内容は、
下記の論文を参考にしました。
K. Yoshida et al. (2008)
Change of color and components in sepals of chameleon hydrangea
during maturation and senescence. Phytochemistry 69; 3159-3165.
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