2025年7月28日月曜日

オタネニンジンの採種 ~ 種子が採れない危機的状況 ~

今年もこの季節がやってきました。真っ赤に熟したオタネニンジンの果実を洗い、種子を取り出し・・・・・。とそろそろこの作業を行なう時期なのですが、毎年、果実(種子)を購入している産地から、今年は出荷ができないとの連絡がありました。

 

赤熟したオタネニンジン果実(昨年の画像)

 

 オタネニンジンの産地では、今年の春先の低温で出芽と生育が遅れ、その後の長雨で病気が多発し、さらにその後の急激な高温により十分な種子が得られなかったようです。生産者が自家生産に使う種子も足りないそうです。さらに今年の根の収穫も心配な状況です。

 

近年の異常気象、長雨、夏場の高温や乾燥により、オタネニンジンの栽培自体がこれまでの産地では難しくなっているようです。昨年は、高温の影響により4割近くが浮き種子になってしまい、芽切り処理を行なっても腐敗してしまいました。

 

植物工場内で栽培している株からの採種と一昨年に採種して保管している冷凍種子があるので、研究用としての種子は確保できているものの、皆様へお分けできるほどの苗を生産することが難しくなってしまいました。

 

植物工場内で赤熟したオタネニンジン果実

 

 採種専用圃場の設置、苗生産と製品生産(56年根)の分業化、植物工場の利用、培養苗の導入など、対応できる技術はありますが、異常気象のスピードが早すぎて、産地全体の新たな生産体制が整うまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。時間との戦いにもなってきました。何とかしないと・・・・・。

 

 

(渡辺 均)

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