最近、サーキュラーエコノミー(循環経済)という言葉が、広く使われるようになってきました。
環境省のHPによると、サーキュラーエコノミーとは、「従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの」だそうです。
こうした背景から、廃棄物の循環利用について、関心が高まっており、生ゴミ堆肥など、農業や園芸での活用機会が増えているように感じております。また、「堆肥など、循環利用を促進したはいいけど、使い手がいない…」というような話も、ちらほら耳にします。
そこで、私たちは現在、出口側(利用先側)の立場に立って、「良い堆肥、良い資材とはどういうものなのか?」を多種多様な堆肥や園芸資材を比較することで、私たちなりの答えを見出そうとしています。もちろん何を栽培するのか、投入量等を含めどう使うのかに大きく依存しますが、まずは同じ指標で比較することを大前提に、調査を進めています。
その項目の一つに、発芽指数(GI)というものがあります。これは、堆肥や資材を水でシャカシャカして、ろ過した水で、種子の発芽を観測するというものです。植物の発芽と発根に毒性の強いものが含まれている場合、この数値は低くなります。下の写真のように、発芽・発根が確認されたものもあれば、ほとんど発芽していない資材もありました。
今回発芽指数が低かった資材も、ろ液の濃度を薄めれば改善する可能性があるため、一概に良し悪しが判断できるものではないですが、「使い方」に工夫が必要そうです。
園芸業界も、売り方や販路など出口戦略が重要とよく言われますが、堆肥などの資源の循環利用も「出口」が重要です。入口も出口も考えながら、研究を進めていく必要があります。
黒沼
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