現在、学部3年の大森さんの卒業研究として、異なる光質下におけるオタネニンジンの生育に関する研究を予定しています。下の写真は、大日本印刷株式会社様よりご提供頂いている「赤色が多いLED光源」と「青色が多いLED光源」を取り付けたインキュベーターです。写真のようにシート式のLED光源で、取付けも強力な両面テープで済ませることが出来ます!この光質(光の色)が異なる環境で、オタネニンジンを栽培すると、どのような違いが生じるのか?を調べる訳です。
(肉眼ではもっと色味の違いが明らかです…)
植物は、光質(光の色・光の波長)の変化によって、様々な生理・形態的な応答を示します。近年では、植物工場をはじめとして、様々なLED光源が普及してきており、収量や機能性成分を上げるためにどのような光質(光の色)で栽培すると良いのか?という研究が進んでいます。
植物と光の色の関係性について、一つ身近な例を簡単にご紹介します。下の写真のように、皆さんが育てている植物は、おそらく光の量が多く当たる方へと茎を伸ばしていると思います。これは、「光屈性」と呼ばれる植物の特徴です。
松戸キャンパス軒下のノースポール
手前側へ茎を伸ばしています
この光屈性は「青色光」をフィトトロピンやクリプトクロムという光受容体が感知することによって、発生するとされています。太陽光には、様々な色の光(青も赤も緑も…)が混ざっているため、一見、ただ日当たりの良い方へ茎を伸ばしているようにみえますが、実は太陽光の中でも青色の光に反応して起こっている現象なのです。言い換えれば、太陽光から青色の光だけがカットされる(無くなる)と、「光屈性」という特徴は、弱まったり、起こらなくなるという事です。この他にも、植物がある特定の色の光に反応して、表れる現象は様々あり、植物の光の色の感知に関する生理的な研究も進んでいます。
より集約的に、植物を生産する上では、生産する植物が「何色好き」なのか?を調べることも有効です。
黒沼
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