2017年1月31日火曜日

春物をポット上げ

昨日の柏は小春日和。
暖かい一日でした。
今日からは冬に逆戻り。

さて、昨日の園芸別科の実習は、
ガザニア(Gazania)、サルビア(Salvia)、ペチュニア(Petunia)のポット上げ。
いずれも種子系品種のセル成型苗を3号(9cm)ポットに定植していきます。
どれも春~秋の花壇苗の定番ですね。


機械で用土を充填したポットに、セル成型苗を移植していきます。


この時期になると2年生はもちろん、1年生も手慣れたもの。
経験を活かして、品種を間違えないように、手早くどんどん移植していきます。

2年生は3月には卒業。実習もあと僅かです。
1年生は4月になれば2年生。入学してくる後輩を指導できるほど、いろんなことを覚えてくれたでしょうか。

鉢物生産も多い苗生産部ですが、昨日ポット上げを行ったこれらの植物は、ポット苗として出荷されていく予定です。
実習を通して、様々な形態の花卉の生産方法を身につけていってもらいたいですね。

(金谷)



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2017年1月30日月曜日

パイナップルの鉢植え

センター内の実ウメの花が咲き始めました。春は少しずつやってきているようですね。

1000属ハウス内のアナナス科のコーナーでは、パイナップル(Ananas comosus (L.) Merr.)の果実が大きくなってきました。外は氷点下5℃以下になる夜もありますが、ハウス内は12℃になると暖房機が稼働しますので、熱帯・亜熱帯原産の果樹もそこそこ元気に育っています。


このパイナップルは、およそ3年前に前田研究員が私の話を聞いて、スーパーで食用として売っていた果実を買ってきて、クラウン(果実の上の部分)を挿したものです。鉢植えの観賞用としては見ごろになってきました。次は食べごろが気になります・・・。

挿し方は簡単で、温室があれば周年可能ですが、なければ5月~9月頃が適期です。果肉が付かないようにクラウン部分を果実から切り離し、下の葉を茎が23cmほど出るくらいぐるりと剝がします。タケノコの皮を剥くような感じで、1枚1枚剥がすことができます。日陰で数日間切り口を乾燥させた後、水苔やピートモスなどに植え付けると1カ月ほどで活着します。切り口を乾燥させるところがポイントで、乾かさないと切り口から腐ってしまいます。

活着後は、日当たりの良い場所に置き、水と肥料を十分に与え、株を生長させます。23年で花を着けますが、株が大きいほど大きな果実が着きます。最低でも10℃以上は必要ですので、関東周辺では冬季は室内ですね。

以前、講義で学生さんにパイナップルがどのように実るのかを絵に描いてもらったことがありました。果実が土の中に埋まっていて、地面からクラウンだけが地上に出ている絵を見た時には驚きました!! パイナップルの収穫にはスコップが必要なの??

家で食べた果物の種子を播いてみる。どんな芽が出てくるのだろう? パイナップルのクラウンを植えてみる。どんなふうに果実が着くのだろう? 小学生の自由研究でも良いですが、大学生になる前にご家庭で実際に観察し、理解できることかも知れませんね。


(渡辺 均)

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2017年1月27日金曜日

ジュエルオーキッド


 本日は自分の机に置いてある植物を紹介します!




 これはMacodes petolaラン科マコデス属という植物で、ジュエルオーキッドという、葉の美しさを楽しむラン科植物の仲間です。
 同学年細胞工学研究室の友達からもらったプレゼントです。
 葉脈が綺麗に白く浮き上がり、名前の通り宝石のような輝く姿を見せてくれます!


 着生ランと同じく、水苔を使って栽培しています。
 普段の水やりとしては、葉水によって水分を与えます。



 友達からプレゼントされた時は、密封袋に入っていました。
 葉が袋内の水蒸気を吸収できるため、頻繁に水あげなくていいという発想でしたが、熱がこもりすぎると思って今は袋を開けています。

 暖房のかかる室内では乾燥しやすいので、葉水を多めにかけています。
 どんどん新しい葉が出てきて、机の上に宝石が置いてあるような気分です!



 葉脈が輝く秘密は、いろんな説があります。
 日照の少ないところに生息していて、光合成をするために葉脈の反射を利用できるように、このような輝く葉脈になったという説が一番多いようです。



 葉を楽しむ植物ですが、夏に白い花が咲きます。
 次に花が咲くまで楽しみにしています!

                  
(学部4年 趙)


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2017年1月26日木曜日

挿し芽の行方

先日、ペチュニアの挿し芽の実習についてお伝えしましたが(http://naeseisan2.blogspot.jp/2017/01/blog-post_18.html)
今日はその後の様子です。



挿したばかりのセルは、もちろん根は出ていません。















その為、直射が当たって萎れないよう寒冷紗で光を制限し、
葉水を掛けて湿度を保ちます。

23℃の温床線の上にセルトレイを置き、保温シートで覆います。
挿し芽してすぐは、土が目立ちますね。













約1週間で発根し始め、











葉も少し大きくなっています。

















2週間後にはセルの土半分ほど根が回っています。














ここからは、寒冷紗を外して光を当てていきます。










セルの土があまり見えなくなりました。




4週ほどでかなり根鉢が回っています。













毎週の液肥の灌注と、適時の鉄剤・微量要素剤の散布で、
葉は厚くなり、葉色が濃くなり、茎も太くなって
しっかりとした苗が出来上がってきました。








挿し芽をしてから約一月。
セル苗の完成です。

これから、セルのままで出荷、
もしくは、ここでポットに移植されます。

1月に挿した苗が、外に植えられ花を咲かすのは、4月頃。
まだまだ先は長いですね~。




池田






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2017年1月25日水曜日

ぽかぽか贅沢風呂


 先の記事にて紹介しましたオタネニンジン。
 古来より薬効の高い高級品として重宝されてきました。

 効果としては、やはり滋養強壮のイメージが強いでしょうか。
身体を芯から温め、元気ハツラツにしてくれる、冬にもってこいの薬効ですね。

 そんな薬効をわかりやすい形で感じさせてくれるモノがこちらです。



 後ろに手が回るような怪しい粉ではございません。



 こちらはオタネニンジンの入浴剤です。

 入浴剤といってもオタネニンジンエキスの入った顆粒剤ではなく、オタネニンジンを細かく砕いた粉末を、そのままお茶パックのように包んだものです。
 もちろん立派な商品となるような根の部分だけでなく、細根などを含めたものですが、オタネニンジンそのものが入っている入浴剤です。

 使い方はお湯に浸して10数分待てば完成ということですが、量もかなり多めに入っていましたので、23日に分けてみることに。
 そのため、鍋に火をかけて煮出したものを、お湯を張った風呂に混ぜて使いました。



 鍋に入れた直後は、特に色が染まるわけでもなく本当に成分が出ているのかわかりませんでしたが…



 少し待ってから見てみると、お湯が白っぽく濁ったように染まりました。



 出来上がったものを風呂に入れてみましたが、そこまで色がつくわけではないようです。
 鍋から移す際に少し泡立ちましたが、お湯の色としては薄いクリーム色程度。
 写真では伝わりませんが、ものすごいオタネニンジンの香りが充満しており、それだけでも効果を感じる気がします。

 実際に入浴した後、身体の芯からぽかぽかと温まる感覚が続き、就寝の際にも布団1枚いらないのではないか、と思うほどに効果が持続していました。

 なかなかに贅沢なお風呂ではありますが、食品としての利用だけでなく、様々な健康へのアプローチの楽しみ方を感じた冬の夜でした。


(安藤匡哉)

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2017年1月24日火曜日

カリブラコアのピンチ

ここのところ、「カリブラコアの・・・」というタイトルのブログを書くことが多くなっています。

昨日の園芸別科の実習は、「カリブラコアのピンチ」。
枝を切り戻して腋芽の伸長を促すための作業です。
分枝がよくなれば結果的に、花数が多くなり、草姿も見栄えよくなりますね。

先週、別科の学生さんたちの手で鉢上げされたばかりのカリブラコア。
3株植えで、それぞれ5本程度の枝が出ていますが、まだまだ枝数は少ない状態です。


これを一鉢ずつ、ハサミで切り戻していきます。



ピンチ後は、こんな姿に。

なんだか貧相ですが、枝が伸長してくれば、ボリューム感のある株に仕上がっていきます。
5月の出荷までにこのピンチの作業を数回繰り返して、より枝数を多く、まとまりのよい姿に仕上げていきます。

文頭にも書いたように、ここのところ、立て続けに、「カリブラコアの・・・」ブログを書いています、播種や挿し木、定植から出荷まで、一連の作業を体験し、時には同じ作業を何度も繰り返しながら、作業をより丁寧に、より速くするにはどうすればいいのか?
植物の種類が違えば、作業上、留意すべき点も少しずつ違ってきます。
でも、いろいろなことを経験していれば、初めて扱う植物に応用する力も身につくはず。

いろんなことを見て、感じて、自ら考えて作業をできるように、自分の技術を磨けるようになって欲しいな、と願いながら、実習をしています。

(金谷)


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2017年1月23日月曜日

オタネニンジンの試験販売

先週の木曜日から、柏の葉キャンパス内の販売所(緑楽来・みらくる・平日13時~16時開店)で2年生のオタネニンジンの生根を食材として試験販売を開始しました。


初日は1パック約50グラム入りを10パック作って販売しましたが、閉店までには完売となりました。前田研究員にもパッキングやお客様への商品説明をしてもらいました。


食材としてのオタネニンジンの認知度が高まれば、今まで薬用として出荷までに56年もかかっていたものが2年で出荷することができるようになります。そうすれば、新規就農者の増加や農家の副収入につながるのではないかと考えています。長野や会津などでもオタネニンジンの2年生根は定植用の苗の余剰などが11月の限られた時期に少量しか出回りません。現地では、天ぷらや素揚げとして食べられているようです。

緑楽来での販売も在庫が無くなり次第終了とさせて頂きます。食べ過ぎにはご注意下さい。


(渡辺 均)

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2017年1月20日金曜日

土のいらない植物


一般的な植物は、土から養分や水分を吸い上げて生長しますが、中には樹木などに着生する事で生きる形態を取っている植物が存在します。
いわゆる“土のいらない植物”です。

今日は、その中でも1000属ハウスにある、チランジア(エアプランツ)とビカクシタを紹介したいと思います。


チランジア(Tillandsia

エアプランツとは、米国南部から南米にかけて広く分布しているパイナップル科チランジア属の植物の総称で、アナナスなどの仲間です。

前述の通り、一般的な植物は、土から養分や水分を吸い上げて生長しますが、このエアプランツは、土に植えなくても葉の表面から「空気中の水分」を吸収して生長します。
その為、エアプランツ(Air Plants = 空気植物・空中植物)と呼ばれています。

空気中の水分を吸収して成長する為、土は全く不要です。
机の上に転がしておくだけでも生きていける、不思議で健気な植物です。

が不要という事は、色々な飾り方が可能になります。
針金で吊るしたり、木や板に張り付けたり、色々な器に飾りつけたり、自由にアレンジして楽しむ事が出来ます。


 最近ではインテリア雑誌などでもよく見かけます。
 土がいらないことから、観葉植物としても人気です。


 最近、1000属ハウスに新たなチランジアがやってきました。


ウスネオイデス(Tillandsia usneoides


 こちらのウスネオイデス(別名:スパニッシュモス)もエアプランツの1種で、銀色がかった緑色の細い葉をたくさん茂らせながら、3050cmほどの長さに垂れ下がっています。
 原産地では電線などの高い場所に着生してどんどん増えるので、宅急便の詰め物などに利用されるらしいです。


ビカクシダ(Platycerium ssp.

 こちらは別属のビカクシダ。
 着生種なので普通はヘゴ板や、焼き杉板などにつけて栽培します。

 シカの角のように大きく伸びる葉は、「胞子葉」や「繁殖葉」といい、成熟した葉の裏には胞子が生じます。
 主に繁殖のための葉で、役割を終えた葉は根元から脱落します。

 もう一つは「貯水葉」、「外套葉」などと呼ばれ、株元を覆うように伸びてきます。
 幾重にも重なりながら成長することで、水や養分を貯めこむ構造になっています。


 土を必要としない植物は、今回紹介したチランジア(エアプランツ)とビカクシタの他にもたくさんあります。

 1000属ハウスでは様々な植物が見られるため、とても勉強になります。
 これからも学生間で協力し、それぞれの植物の持つ特性に合わせた維持管理に努めていこうと思います。


修士1年:井上


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2017年1月18日水曜日

クオリティ&スピード


 先週末の寒さも多少和らぎつつありますが、朝晩の冷え込みから暖かいものが恋しい季節が続きます。
 なぜか休憩中にアイスをつまんでいましたが…。


 本日の実習では、お馴染みではございます、ペチュニアの挿し芽をおこないました。
 例年通り、この時期には春先の出荷に向けてフル稼働で挿し芽のサイクルが続きます。


 挿し芽クイーンの池田技官より、挿し芽のポイントについて講義を受ける学生たち。
 芽の長さ、残す葉の数、形をはじめに統一、共有しておかないと、学生ごとにオリジナリティ溢れる作品が作られてしまいます。
 製品としては個々人の個性を控えめにしなければなりません。


 準備万端の親株たち。


 写真のような先端に花芽がついているような天芽は、挿し芽に向きません。
 このような芽は、花を咲かせるためにエネルギーを使ってしまい、他の挿し芽と比べて成長スピードが落ちてしまうためです。
 花芽を取り除いても芽の向きがずれてしまっているため、挿し芽には使わずに。


 消毒したハサミを使ってノルマとなる芽数を取り、殺菌剤を薄めた水にくぐらせたら、いよいよ植え付けです。


 芽を潰さない程度の強さで挟んだら、慎重に土に突き挿し、少しピンセットを拡げながらゆっくり引き抜いていきます。

 この際、切断面をピンセットの先端よりも、少しだけ内側に入れ込んで植えるのがポイント。
 切断面を先端よりも出したままでは、植え付けの際に切断面が土に押し当てられ、茎が折れてしまったり、その後の生育に悪影響が出てしまいます。

 品質もさることながら、挿し芽における重要ポイントは作業のスピード。
 時間当たりの挿し穂数は、そのまま作業コストに繋がります。

 少しずつではありますが、2年生の手つきを見ながら、1年生たちの作業スピードも上がってきました。
 それに負けじと2年生も意地を見せます。


 なんとか無事にノルマをクリアして、日が暮れる前に終了しました。
まだまだ挿し芽作業は続くので、次の実習時には更なるスピードアップを目指したいところですね。

(安藤 匡哉)


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2017年1月17日火曜日

カリブラコアの鉢上げ

すっかり暖かくなって、ポカポカ陽気。

いやいや、そんなことはありませんね。
ここ数日、とても寒い日が続いています。

ポカポカなのは温室の中だけ。

昨日の園芸別科の実習は、「カリブラコアの鉢上げ」。
例年と同じく、母の日に向けて、カリブラコア鉢物の生産が続いています。

今回は2.5号ポットで育成した苗を8号鉢に定植する作業。


今はまだ短日期。
苗がまだ幼いこともあって、開花はしていません。
葉だけの状態では、品種の違いはわかりにくいものです。

3色混色の鉢物を生産しますが、この鉢上げ作業の時点で定植する品種を間違えては、
「咲いてびっくり!!」、取り返しのつかないことになってしまいます。

細心の注意を払いながら、丁寧に、1鉢にポットで色分けされた3品種を、間違いなく、真ん中にバランスよく定植していきます。


今はまだ植物も幼く、気温も低いので、灌水の頻度はそれほど多くはありませんが、株が大きくなり、出荷が近づく頃には、ほぼ毎日灌水が必要になります。


ウォータースペースを十分にとって、灌水をしやすくすることも大切ですね。

3時間弱で500鉢余りを鉢上げすることができました。

今年は燃料費も値上がりして、施設栽培には厳しい環境ですが、春にはより良い生産物をお客様にお届けできるよう、このあともいろいろな作業を施しつつ、カリブラコアの鉢物生産は続いていきます。


(金谷)




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2017年1月16日月曜日

準備と後片付け

今朝は冷えましたね。朝6時の柏の葉キャンパスは -6.5 ℃。霜が降りた一面の芝草が日の出前の太陽の薄明りでキラキラと輝く光景はとても綺麗でした。早起きした甲斐がありました。

さて、下の画像は? そうです。ハウス内での実習前の様子です。オステオスペルマム‘セレニティーシリーズ’の鉢増しを行なうために技術職員が準備してくれました。鉢や用土、植物が整然と並んでいますね。


上の画像は、学部2年生の実習用です。学部2年生の実習ですと約60人を2班に分けて、約90分で一つのメニューをこなします。ということは、一日の実習で同じ実習を2回行うということです。教員は同じことを2回、ホワイトボードを使用してお話します。品目や品種の特性、用土配合、元肥、病害虫と防除法、植え付ける苗の栽培状況(挿し芽・播種・ピンチの回数)、植え付け方法、その後の管理方法、出荷先、単価・・・・。

私たちの実習への本来の考え方は、「準備と後片付けを含めて実習!」なのですが、人数も多く、時間も制約され、全体の待ち時間が多くなってしまいますので、上の画像のように上げ膳据え膳のような実習になってしまいます。

受講者数の少ない学部3年生の実習では、作業全体の流れを理解するためにできるだけ準備と後片付けまでを行うようにしています。実習の回を重ねるごとに、自然と準備も後片付けもできるようになります。また、その作業集団内での自分の役割や作業の効率性、作業の流れなども考えて行動するようになっていきます。このような経験の積み重ねにより、全体の仕事量や作業にかかる時間などの予測などについても考えられるようになるでしょう。

実習の目的は栽培技術を学ぶことですが、それ以上に実習の始まりから終わりの間に別の意味で大切なことが数多く含まれているのではないでしょうか。


(渡辺 均)

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2017年1月13日金曜日

暖かいハウスの中で


 日中は、よく晴れ、穏やかな日が続いています。
 最高気温は、月上旬並みの気温を記録しているようですが、朝夕の冷え込みは、冬を感じさせます。

 そんななか、1,000属ハウスでは、とある植物がすくすくと生長しています。
 突然ですがここで問題です。


 これは何の植物でしょう?
 葉の陰に、なにかちらっと見えていますね。



 正解は・・・・・









 ウツボカズラ属(Nepenthes)の植物でした。

 ウツボカズラ属は、ハエトリグサ属(Dionare)とともに、有名な食虫植物のひとつです。
 食虫植物は、やせた土地などに自生していることが多く、不足している栄養素を補うために、虫などを捕食するといわれています。


 ウツボカズラ属は、現在、約70種が確認されているつる性植物で、葉の先端部分に捕虫器という袋をつけます。
 実は、捕虫器が葉の本体で、葉に見える部分は葉柄が広がったもので、偽葉と呼ばれます。
 この中には、消化液が含まれた液が溜まっており、虫などが中に落ちた場合、徐々に消化されます。



捕虫器(つき始め、開いた後)

 ウツボカズラには、

・インドネシア、オーストラリア、マダガスカルなどに自生し、大きく、高温で多湿な熱帯ジャングルに自生している種類
・低温で乾燥している標高800~1500m山岳に自生している種類
・冷涼で多湿な標高1000~3000mの山岳に自生する種類

などがあります。


 このウツボカズラが、1,000属ハウスの仲間入りしたのは、去年の11月初め。
 その頃は2.5号ポットに植わっている苗の状態で、もちろん袋はついていませんでした。

 1ヶ月ほどで小さな袋がつき始め、2ヶ月経つころには、遠目から見てもわかるくらいの袋となり、先日ついに袋が開きました。



 比較的寒さには弱い植物ですが、毎日頑張ってくれている暖房・・・いえ、管理している学生たちのあふれる愛情で(?)、この寒い時期でも、すくすくと生長してくれています。



 今日は、ウツボカズラの紹介でしたが、1,000属ハウスには、花はもちろんのこと、観葉植物や野菜など様々なものがあります。

 これからも、学生たちで協力し、これらの生長を見守っていきたいと思います。
 あわよくば、少しでもハウスの虫を減らしてくれないかと思いながら。


(学生:修士2年 村岡)

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