2021年5月31日月曜日

山のアスパラガス ~タチシオデの栽培化と増殖~

私たちが扱う植物の中には、播種して3か月で出荷できる花壇苗もあれば、播種してから発芽までに1年から2年もかかってしまう草本植物や木本植物もあります。出荷もしくは収穫まで時間がかかる植物は、営利栽培には向かないとよく言われていますが、近年、太陽光パネルの下や林床下で作付けできる品目として、逆に時間がかかる品目に注目が集まっています。オタネニンジンなどの薬用植物や山菜などが適しているのではないかと考えています。

 

当研究室では、時おりブログでも登場しますが、オタネニンジンの研究を行なっておりますが、じつは、いくつかの山菜の栽培化のための採種、増殖も行なっています。タチシオデ(サルトリイバラ科 Smilax nipponica Miq. )もその一つです。山のアスパラガスとも言われていますが、その名のとおり、まったくクセが無く、おひたしや天ぷらにすると絶品です! 

 

栽培中のタチシオデ


 山菜採りに行っても、タチシオデは群生している訳ではありませんので、なかなかまとまった量は集まりません。それでは、種子を採って増やそうとして、秋に黒く色付いた熟果を収穫し、洗浄して播種しても、芽が出てくるのは翌々年の春! 発芽した1年目は、本葉が数枚展開するだけです。生長は超スロー。新芽が収穫できるまでには、芽が出てから4年~5年以上はかかります。温度処理で種子の発芽を早めることは可能ですが、半年ほど発芽が早まってもどうなんでしょう・・・?

そこで諦めてやめてしまえば終わりですが、食い意地が勝るのか(笑)、千里の道も一歩から! 地道に増殖を続け、圃場に苗を定植して採種・育苗を続けています。今年の春には花卉・苗生産部で苗の販売も行ないました。来春は試験的に山菜として、当センター内の直売所(みらくる)に出してみようかと考えています。

 

(渡辺 均)

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