2021年3月8日月曜日

イナゴマメの花

この冬は、強烈な寒波もありましたが、全体を通して見ると暖冬だったそうです。確かに最近は暖かいですね。大学の卒業式の頃に染井吉野が満開となり、入学式の頃にはほぼ葉桜という年がここしばらく続いています。都心に比べるとかなり冷え込む柏の葉キャンパス内でも、啓翁桜が咲き始めました。

 

さて、今回は雌雄異株(しゆういしゅ)の話題です。数年前にイナゴマメ(マメ科 ・ Ceratonia silique L. ) の莢を知り合いの方から頂きました。 この硬い焦げ茶色の莢を折り、破片を食べるとチョコレートの風味がします。この莢の部分をキャロブと言い血糖値を下げる効果があり、莢や粉末が健康食品として流通しています。


イナゴマメの乾燥した莢

 

莢を割ると中から丸い茶色い種子がいくつか出てきましたので、職業病(?)ですが、種子を傷つけ、さっそく播いてみました。このイナゴマメの種子(マメ)は宝石の単位、カラットの語源として知られていますね。

 

播種後、25℃の発芽室内で管理したところ、すぐに発芽してきました。比較的耐寒性もあり、冬季は5℃のハウス内で管理しても枯死することはありませんでした。播種してから4年が経過し、先日、初めて花が咲きました。

 

イナゴマメの花

 

花は枝先ではなく、枝の途中に着いています。また、花弁は無く、よく見ると雄ずいしかありませんので雄株のようです。残りの株は花を着けませんでしたが、その中に雌株が無いと莢(キャロブ)を収穫することができませんね。

 

話は変わりますが、温室内には、卒業生が置いて行ったピスタチオの木が1本残されていますが、なんと雄株です! ピスタチオも雌雄異株ですが、花を着けるまで雌雄の区別がつきません。ピスタチオの実を着けない雄株だから、大学に置いて行ったのかも知れません。

毎年、この雄花を着けるピスタチオを見ると、子どもの頃、夏祭りの夜店で売られていたヒヨコがとさかの大きな雄鶏になり、鳴き声がうるさくて自宅で飼いきれなくなったものが、小学校の飼育小屋の中に何羽も収容されていたのを思い出します。そして、しばらくするとその収容された雄鶏だけが、1羽ずつ減っていきました・・・(?)。 そんな昔の記憶ですが、ピスタチオの雄株と同様に、この開花したイナゴマメの雄株も大切に育てて行きたいと思います。

 

(渡辺 均)

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