この花卉・苗生産ブログにも、先週の金曜日から、学部3年生が加わりました。
学部3年生は、毎週金曜日の午後に実験を行った後、花葉会主催の「花産業必修1000属検定」C級の小テストを受けています。
今回は、「花産業必修1000属検定」C級のリストの中で、恐らく1番最初に覚えることとなる植物である、アベリアをご紹介いたします(C級リストの1番最初に記載されている属名がアベリアなんですよ)。
柏の葉キャンパス駅から千葉大学環境健康フィールド科学センターに向かう途中に、大型ショッピングセンターである「ららぽーと柏の葉」があります。
「ららぽーと柏の葉」の周囲には、沢山のアベリアが植栽されています。
アベリアAbelia×grandifloraは、スイカズラ科ツクバネウツギ属に分類される、常緑~半常緑性の低木で、「ハナゾノツクバネウツギ」、「アベリア ハナツクバネウツギ」とも呼ばれます。
属和名の「ツクバネウツギ」は、漢字で「衝羽根空木」と書き表されるのですが、
① 花が終わった後も残る桃色のがくが、羽根つきの羽根に似ていること
② 花や葉が、ウツギDeutzia crenataに似ていること
の2点に由来しています。
19世紀中頃に、イタリアにおいて、中国原産のシナツクバネウツギ A. chinensis とアベリア ユニフローラ A. uniflora が交配されたことで作出されました。
驚くべきことに、大正時代末期には日本へ渡来し、庭木や公園樹として利用されていたようです。
現在は、様々な葉の色を持った園芸品種が生み出され、カラーリーフとして楽しまれています。
花をよく観察してみると、透き通るような淡桃色の花冠(花びら)の先端が5つに分かれていることがわかります。
属和名の由来の通り、花が終わった後も、羽根つきの羽根のようながくが、沢山残っていますね。
アベリアの花の香りを実際に嗅いでみたところ、昆虫を沢山誘引しそうな甘い香りの中に、少しクセを感じました(私個人の感想です)。
「ららぽーと柏の葉」の周囲には、沢山のアベリアが植栽されているため、香りも非常に強く感じられました。
「花産業必修1000属検定」C級の合格を目指す学部3年生も、ただ属名を覚えるのではなく、身近に存在するアベリアのような植物を観察することで、様々な植物の魅力を伝えられるようになってほしい、と感じています。
(学部4年:下重)
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