台風一過の秋晴れのもと、乾燥させていたサフランの球根をトレイに並べ、採花の準備を行ないました。そろそろやらないと、と思いながらついつい先延ばしをしていたら、芽が動き始めてしまいました。急いで並べないと芽が伸び過ぎて、袋から取り出す際に折ってしまったり傷つけてしまったりしますので・・・。
芽が伸び始めたサフランの球根
サフランの雌ずい(雌しべ)は、サフランライスやパエリアなどの色付けや香りづけとして利用されていますね。また、飲用としてサフラン茶として利用されています。生薬としては、血流を促したり、抗うつ作用があったり、最近では認知症にも効果があることが報告されています。
一方で、その雌ずいを取るのはかなり大変です。開花期間は非常に短く、例年、11月中旬の10日間ほどです。青紫色の花が開いたその日の朝に花を摘み、オレンジ色に着色した部分の雌ずいを取り出して素早く乾燥させます。
開花が進み、雌ずいが伸び過ぎたり、花粉がついてしまったら✕です。たくさんの球根から雌ずいを取り出しても、乾燥させると得られる乾燥物は、ほんの数グラム!
コツコツ地道な作業です。
採花させるための方法は2つあります。畑に植えて花が咲いたら畑で摘む方法。もう一つは、夏に乾燥させておいた球根をサイズ別に分け、トレイに球根を並べ、室内で球根の力だけで開花させ、その花を摘む方法です。大分県竹田市で行なわれている竹田式と言われる方法です。室内で花を咲かせますので、雨に当たらず、ロスが無く品質の高いサフランが収穫できます。
ということで、トレイに並べる竹田式で作業を行ないました。球根の大きさ別に1球ずつ並べます。その数およそ1,000球!
几帳面な性格なのか、血液型のせいか、その並べ方にもついついこだわりが出てしまいます。
トレイに並べられたサフランの球根
真っ暗な発芽室内で管理し、11月中旬に花が咲くのを待ちます。採花、調整、乾燥させた後、12月中にはセンター内の直売所(緑楽来・みらくる)で新物のとても良い香りがするサフラン(乾燥雌ずい)を販売する予定です。
(渡辺 均)
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